【『追悼録 木下保雄』より弔辞】日本生協連労働組合執行委員長 大野 省治
日本生協連労働組合を代表し、日協連の全職員の心をこめて、ここに尊敬する木下保雄先生の霊前に弔辞を捧げるものであります。
「木下さん、」やはり昨日までよびなれていたように呼ばせてください。
ひとことでいえば、日協連専務理事の木下さんは、私たち職員にとって温情あふれるよき先輩であったし、またきびしい教師でありました。木下さんは、若い職員を指導されるに当って、まず、どうしてそんなやりかたをしているのかと、しんぼうづよく私たちの考えを聞かれました。そこで私たちは、ものおじする必要もなく、信ずるところを遠慮なく申し述べることができました。そのうえで欠陥を実にきびしく指摘されました。いうなれば木下さんとの対話そのものが、日常的な学習と訓練の場であったと申せましょう。木下さんは、生協運動を発展させるためには、全役職員が心をあわせて取組まねばならないと考えておられました。生協運動における生協労働者の果す重要な役割りや生協労働組合の存在意義について、ひいては消費者運動における労働者階級の位置づけ等について積極的な評価をもっておられました。
専務理事としての木下さんは、労働組合の諸要求に対しては基本的に私たちを信頼する誠意をもってのぞまれました。
団体交渉の席でも木下さんはいつも笑顔を失わず、ときには目を丸くされたり、細くしたりされながらも、率直な意見を表明されて、難航する交渉も感情に流されず、内容ある結論に到達することが出来ました。
いま、木下さん、と呼びかけても、あの特徴のあることば「お話しはうけたまわりました。まず、前段と後段にわけてお答えします・・・・・・」という歯切れのよい声は聞くことができません。
事務局のリクリエーションで、朗々と咏じられた格調高いうたも聞けなくなりました。家庭購買組合時代の藤田逸男先生の教訓的なお話しを聞くことができなくなりました。
木下さんは、消費者運動の大きなにない手であり、巨大な戦力でありました。
中央環境衛生審議会における消費者代表としての活躍は見事なもので、複雑な問題をご自身で分析されて論文をまとめられ、消団連で刊行したときには、関係各方面から注目を集め、消団連の名声を高めました。
木下さんは、新聞代値上げ反対闘争のときには、私たち職員ともども、文字どおり泥んこになって取組まれました。また、生協を親制しようとする小売商業調整特別措置法をはじめ、中小企業団体法、環営法などに反対する闘いの先頭にたたれて、全国から国会陳情に参加した生協のなかまたたちに奮起を呼びかけておられた姿は、今も目にうかびます。
現在、日本の民主主義運動が、強固な統一をかちとっておらず、国際的にも平和勢力の結集ができないという残念な状況にあります。しかし、木下さんは、日協連、日協貿が対処すべき方向について、しっかりした政治判断をもっておられました。さすがは37年間、ひたすら生協運動に献身してこられた私たちの先輩であるな、としみじみ感服しておりました。日本の生協運動がいま、飛躍的な発展期を迎えようとしているとき、いまいっそうのご指導をいただきたかったし、職場のなかまたちは、病床にある木下さんの再起のためにすすんで献血にかけつけたのでした。
木下さん。今はなき木下さんのご信頼にこたえて、日本生協連労働組合は、全国の生協に働くなかまとともに、日本の生協運動をよりいっそう前進させていくことを心からお誓いして弔辞と致します。
以上
(その1)山本秋氏の追悼のことばはこちら
(その2)中林貞男氏の弔辞はこちら
(その3)今村譲氏の弔辞はこちら
(その4)菊田一雄氏の追悼のことばはこちら

【2010/07/16 00:02】 | アーカイブ
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