<Mより発信>
【連載第4回】:「賀川豊彦記念松沢資料館」と映画「死線を越えて」
この原稿を書くために最近歴史の本を読みかえしたり、世田谷区松沢の「賀川豊彦記念資料館」に出かけたり、賀川の生涯をまとめた映画「死線を越えて」を見たりして、新しい発見というか、いろいろなことを勉強することができました。今日は「生協のはなし」は一回お休みしてその辺のところを少しご紹介してみたいと思います。

映画「死線を越えて」の中で慶応大学の学生であった野坂参三青年(現在の日本共産党中央委の名誉議長)が、神戸の新川に賀川豊彦を訪ねる場面があります。これなどは野坂参三自伝をしらべるとわかることですが、両者の出会いがあったことを私などは、初めて知りました。

しかし何といっても一番興味のあった場面は川崎造船所と三菱造船所の大争議と賀川とのかかわりでした。
この大争議は大正10年7月それぞれ労働組合加入の自由や団体交渉権の確認の要求にはじまり、争議参加者数35,000人ストライキ日数46日という空前の規模のものでした。争議団側は新戦術としてエ場管理を宣言し、有吉兵庫県知事はこれを「所有権の侵害による違法行為」とうけとめ、警察官のほかに陸軍の姫路師団一個中隊と舞鶴海兵団から水兵200名を出動させて徹底的に弾庄し、争議団側の惨敗によって終了しました。

賀川は川崎争議団側の指揮者でした。映画でも資料館の展示にもデモの最前列に「参謀」のたすきをかけた賀川の姿を見ることができます。
目覚めよ 日本の労働者
過去の因習 打ちやぶり
世界改造 遂ぐるまで
克己勉励 努力せよ……
これは賀川豊彦作詞の労働歌です。賀川のねらいはここでも労働者という社会的弱者が、人間としての自覚をもち、団結し、自分たちの手で社会悪のない理想社全をつくることにありました。

「マルクス主義でもない。急進的なサンジカリズムでもない。議会主義による理想の実現」が賀川の持論でした。だから運動の柱に「普通選挙運動」をかかげるのは当然でした。
しかし労働者の運動も空しく大正8年の42通常議会、9年の43特別議会とも「普選法」は否決されました。議会制度に対する幻滅は大きく、その反動で「議会頼むに足らず、直接行動あるのみ」のサンジカリズムが労働者の心情をつかみ、労働運動の主流になっていきます。その理論的領袖に大杉栄がいました。両者の激突は必至でした。

映画で賀川の指揮するデモ隊とは別に
貪欲飽くなき 資本家の
魔の手は長く労働の
成果奪い 貪りて
根幹堅し 資本主義………
(麻生久作詞)という労働歌を歌いながらデモ行進をするグループが登場する場面は、こうした状況を紹介したものです。

この時期、賀川の「無抵抗主義」「議会主義」は徹底的に否認され、労働組合は「普選運動」に参加しないで、直接行動派(アナルコ・サンジカリスト) の全盛時代となり、賀川豊彦は労働運動から身を引くことになります。

当時の歴史的状況をほんの少し予備知識として持って、「映画」や「資料館」をみていただくとよりわかりやすいと思います。
ご一覧をおすすめいたします。
(「賀川豊彦記念松沢資料館」は京王線上北沢駅下車1分。映画「死線を越えて」は今秋一般公開の予定)

以下、リンクを2つつけておきます。
「賀川豊彦記念松沢資料館」
映画「死線を越えて」

→以下、第5回に続く。


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しかし労働者の運動も空しく大正8年の42通常議会、9年の43特別議会とも「普選法」は否決されました。議会制度に対する幻滅は大きく、その反動で「議会頼むに足らず、直接行動あるのみ」のサンジカリズムが労働者の心情をつかみ、労働運動の主流になっていきます。その理論的領袖に大杉栄がいました。両者の激突は必至でした。

映画で賀川の指揮するデモ隊とは別に
貪欲飽くなき 資本家の
魔の手は長く労働の
成果奪い 貪りて
根幹堅し 資本主義………
(麻生久作詞)という労働歌を歌いながらデモ行進をするグループが登場する場面は、こうした状況を紹介したものです。

この時期、賀川の「無抵抗主義」「議会主義」は徹底的に否認され、労働組合は「普選運動」に参加しないで、直接行動派(アナルコ・サンジカリスト) の全盛時代となり、賀川豊彦は労働運動から身を引くことになります。

当時の歴史的状況をほんの少し予備知識として持って、「映画」や「資料館」をみていただくとよりわかりやすいと思います。
ご一覧をおすすめいたします。
(「賀川豊彦記念松沢資料館」は京王線上北沢駅下車1分。映画「死線を越えて」は今秋一般公開の予定)

以下、リンクを2つつけておきます。
「賀川豊彦記念松沢資料館」
映画「死線を越えて」

→以下、第5回に続く。

【2010/04/19 00:08】 | アーカイブ
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