<Kより発信>
2008年9月8日に開催された「賀川豊彦生誕120年記念講演」の要旨を掲載します。

「賀川豊彦生誕120年記念講演」
テーマ「賀川豊彦先生の思い出」
講師;岡本 好廣氏(元日本生協連常務、元生協総研専務)
会場;共栄火災本社ビル(新橋)

この講演会は、協同組合懇話会(農協、漁協、森林組合、信用金庫、全労済、生協など協同組合の関係者の会で、1957年に設立)主催で「賀川豊彦生誕120年記念講演」として開催されました。今回は、賀川豊彦と直接、謦咳に接した岡本好廣氏が講演されました。

<岡本好廣氏の講演要旨>
1.多能、多芸の人 賀川先生
 賀川豊彦は、21歳の時、神戸のスラム新川に住み込み、貧しい人々の救済活動に飛び込みました。その体験と自分の半生を描いた小説「死線を越えて」は、「改造」という一流の雑誌に掲載され、単行本は、戦前に100万部を超えるベストセラーとなりました。続編「太陽を射るもの」「壁の声を聞くとき」も人気を博し、全体では400万部も出版されたそうです。小説としての文章には、専門家から賛否両論はあったようですが、当時の読者の心をつかんでしまったそうです。また、賀川豊彦の講演を聞いた人は、すぐファンになってしまったというほど、感動を与えたそうです。
 賀川豊彦は、風刺など戯画を書くのも上手であったそうです。また、発明家でもあり、コールテンの賀川服やもめんの夏服などを考案し、大ヒットしたといいます。

2.生協運動の中の賀川先生
 賀川豊彦は、新川での体験から貧困を解決するには、社会改造をしなければいけないと考え、労働組合、農民組合、生協の結成に力を注ぎました。本の印税(現在の金額で、10億円くらい)は、こうした運動に寄付されました。
株で財を成した那須善治(協同組合人物略伝はこちら)は、当時有名であった賀川豊彦に相談に行ったところ、協同組合をつくることをアドバイスされ「灘購買組合」が創立しました。1926年には、賀川豊彦の指導で学生消費組合が結成されました。また1932年には、東京医療生協の設立、1942年には、共栄火災保険の設立など幅広い分野で協同組合の設立に関わっています。

 1930年代に、世界不況後のアメリカから講演依頼があり、全米での講演旅行をしています。賀川豊彦は、アメリカでの講演で「協同組合をつくりなさい」と訴えたそうです。こうした賀川豊彦の指導を受けて、アメリカで協同組合が設立されました。バークレー生協もその1つです。戦争中、壊滅した日本の生協は、1950年代に、今度は、バークレー生協など発展したアメリカの生協から学ぶことになりました。
 のちの生協の指導者、田中俊介(灘消費組合の後継者)、嶋田啓一郎(同志社大教授・大学生協連初代会長)等にも賀川豊彦は大きな影響を与えました。嶋田啓一郎は、「賀川先生は、偉人であるが聖人ではない。人間味がある。断ることを知らない。金はどんどん出す。大親分的要素があった。喜怒哀楽(よく笑い、泣く)がある生きた偉人」と評しています。

3.私が身近に接した賀川先生
 1956年に岡本好廣氏は、大学生協連常任理事から日本生協連に移り、「生協運動」の機関紙の編集の担当をしました。賀川豊彦(当時・初代会長)の家に原稿をもらいに行ったとき、賀川豊彦は、「岡本君かね、君のことは、よーく知っているよ」と初対面にもかかわらず、挨拶してくれたそうです。人を引きつける魅力、ファンにしてしまう魅力があったそうです。  その他(略)

4.海外で評価された賀川先生 
 評論家・大宅壮一が「賀川豊彦は、戦前、海外で最も知られていた。」というほど、海外でよく知られ評価されていたそうです。1920年に出版された「死線を越えて」など賀川豊彦の本は、アメリカやヨーロッパで翻訳され、賀川豊彦の活動はよく知られていたそうです。 (インドで貧しい人々の医療活動を行い日本でも有名な“マザーテレサ”のような存在なのだと思います。)
 今回の岡本好廣氏の講演は、賀川豊彦の人柄や広範な活動といった面について語られて、賀川豊彦のイメージが湧くような講演でした。
以上

【2010/06/13 00:22】 | アーカイブ
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★Kさんへ
Mより
岡本さんの講演の報告記事アップを有難うございますm(_ _)m
賀川豊彦に関わって、2008年=生誕120年、2009年=献身100年、2010年=没後50年と所縁の年が3年続きます。この3年にあらためて日本の戦前からの協同組合全体の歴史にスポットがあたるといいなぁと思うようになりました。
関東消費組合連盟や家庭購買組合関係の情報も記事アップを開始するつもりです。

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この記事へのコメント
★Kさんへ
岡本さんの講演の報告記事アップを有難うございますm(_ _)m
賀川豊彦に関わって、2008年=生誕120年、2009年=献身100年、2010年=没後50年と所縁の年が3年続きます。この3年にあらためて日本の戦前からの協同組合全体の歴史にスポットがあたるといいなぁと思うようになりました。
関東消費組合連盟や家庭購買組合関係の情報も記事アップを開始するつもりです。
2010/06/13(Sun) 23:10 | URL  | Mより #9I5CiGdQ[ 編集]
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