<Mより発信>
1955年の衆議院選挙の際の賀川会長のアピールと日協連の選挙基本方針を先にご紹介した。
1956年の参議院選挙に際してもアピールが出され、『日協連』1956年5/20号に日協連理事会で確認した「選挙へのスローガン」とともに掲載されているので、以下にご紹介する。
アメリカの対日占領政策が朝鮮戦争で大きく転換し、ソ連や中国の共産主義の威力に日本としても対抗させるために再軍備を促す政策に転じたことを、はっきりと批判している。
アメリカの協同組合が賀川豊彦をノーベル平和賞に推薦してもアメリカの政府が支持しなかったであろうことがよくわかった。

【参院選挙に際して 国民の自覚に訴う】日協連会長 賀川 豊彦
<世界平和の大道を>
民主々義の途は、人格の尊厳を信じないものの間では絶対に発展しない。17世紀の初頭イギリスに反動時代があった。清教徒(ピューリタン)は1620年英国から逃げ出して米国に植民した。そして約170年後、アメリカ合衆国が誕生した。
日本は剣によって、大国になった。そしてその剣が災して国家として一旦滅亡してしまった。だが共産主義を感じたアメリカは朝鮮事変以後、日本の再武装を企図している。それに便乗しようとする軍国主義者は、世界平和の大道より離れて、軍国日本の再興を企図している。ドイツが1918年11月、ヴェルサイユ条約で、完全に叩きのめされた後、ヒットラーの国家社会主義を呼起して、1939年9月の欧州動乱を準備したが、私の心配はナチス・ドイツの運命が、再度反動主義日本の運命になると云うことである。

<旦那衆に売渡すな>
今や、保守政権は多数党の勢力を以って思想の自由を民衆より奪い、小選挙区制の採用と称して、憲法による投票の自由を奪取せんとしている。
教育制度は官憲の手中に帰し、勤労階級は太平洋戦争前の奴隷状態に追い込まれる危険性がある。平和憲法は蹂躙せられ青年は再びハガキ一枚で戦争に追い立てられる時期が来るであろう。
悲しいのは、勤労階級が、自己の投票を旦那衆に売渡すことである。我らが多年勤労階級の自由のために戦い、労働者の団結権、争議権、団体協約権のために、血肉を削って奮闘して来たものを、無自覚の民衆は金権にこび、軍国主義に復帰せんと努力しているのである。
盲目に日本の運命の手引をさせるな!彼らは日本を滅亡に導いた盲目ではなかったか?その盲目に盲従すれば日本はもう一度戦乱に捲きこまれて民族自滅の淵に追いこまれるであろう。

<正義と愛とをもって>
今年の夏の参議院選挙は、日本民族が民族として滅亡するか否かの危機である。もし、誤って民衆が保守政権に追従して、世界平和の大道を見すて、平和憲法を破棄し、軍国主義に復帰するならば今度は再び立ち上り得ない民族の離散を余儀なくせられるであろう。昭和20年、国土の四割五分を失い小さい4つの島に9000万の人口が押込められた亡国に、今度はそれ以上の悲惨事を呼び求め滅亡と同一運命を見ることであろう。
民族の滅亡と離散を希望するものは軍国主義者に投票を売渡せ!東洋の平和、世界平和、勤労階級の向上、小農、婦人、弱者、日陰者を解放せんとするものは、断じて、正義と愛の選挙戦に、無産階級の旗を守れ!
我らは、人類の自由の為に奮起せねばならぬ。無産階級解放の為に、旗を押し進め平和と自由の前線を一歩たりとも後退させてはならない。
友よ!世界平和の為に立ち上れ!

〔選挙へのスローガン〕
〇政府の低利資金五億円を労働金庫を通じ融資すること。
〇生協の事業活動を束縛しないように法的保障を確立すること。
○安い配給米の増配と、砂糖・電気料金・運賃の値下げを行うこと。
○健康保険の改悪に反対し、社会保障制度を拡大すること。
○家族制度の復活に反対し、明るい社会をつくること。
○勤労所得税を大巾に軽減し、砂糖などの関税をなくすこと。
〇どこの国とも平和共存、中・ソとの国交を回復すること。
○原水爆兵器の実験に反対し、国民の安全と幸福を守ること。
以上

なお、当時の日協連の事務局も激務であり、機関誌の発行も遅れがちだったようです。○月号となっている日付より実際の発行は大幅に遅れることが多々あったようで、日付についてはそのような状況を勘案してください。

【2010/05/13 12:46】 | アーカイブ
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