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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、こちらでもご紹介させていただきました。10/8の第1回に参加してきましたので、以下、概要をご報告します。

テーマ:「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」
講師:堀越芳昭さん/日本大学講師、
 JC総研特別研究員、元山梨学院大学教授、
 元日本協同組合学会会長、元生協総研客員研究員
講義内容の概要

 「はじめに」の<柳田国男に対する誤解>の中では、堀越さんも1980年代の『生活ジャーナル』誌連載『協同組合論の群像』(47回分)で「柳田の協同組合論は民衆の視点に立っているが、産業組合政策の促進を担う政策論的組合論のひとつである」としていたのは間違いで、当時としては先端の協同組合原則論を踏まえて本格的な協同組合論を論じていたことがわからなかったと反省の弁を述べられた。そして山梨学院大学の教員となられて相模原市に住むことになり、地域で柳田国男との所縁がある人から実際に話を聞く中で問題意識が高まって著作を読み込んでいったところ本格的な研究をする価値を見出されたとのこと。
 先人の中では柳田国男の農政学と協同組合論の両方に通じた東畑精一が「柳田国男の協同組合論」の中で「(略)読者が本文を読まれることを希望する。そして法文解釈の行間に、農民が悪質商人や高利貸といかに闘うかについての烈々たる気概をうかがってほしい」と読者に勧奨したことなどを長く引用して紹介し、「柳田産業組合(協同組合)論の内在的検討の提起であった」といえようとされた。柳田はトータルとして正当な評価がされてこなかったようだが、なかなか喧嘩っ早い性格で、深く親交した人とも論争がこじれて絶縁に至ることが多かったことが災いしているとも言及された。
 本論の見出しは以下。Ⅰ.柳田国男協同組合論の根本義は何か~『最新産業組合通解』(明治35年)を中心にみる、Ⅱ.柳田の消費組合論はどのようなものかⅢ.柳田の組合論は協同組合原則とどのように関わるか
 おわりに~柳田国男の消費組合・協同組合論から何を学ぶかでは、●協同組合の根本原理をどのように理解するか。「生活」の重要性/●「協同」および「協同自助」、●「消費」のあり方、●生産者消費者連合/●協同組合間協同の重要性までふれられたが、特に最近になって柳田国男が「生活」を大事に考え、最も底辺の人々の幸福を政策として優先させ、「生活」「幸福」の追及のために協同組合を考えていたことに気がついたという。「郷土研究会」などでともに中心を担った新渡戸稲造が国際連盟の事務次長をしていた関係で官職を辞した後で1921年に国連の委任統治委員になり、2年間ヨーロッパでみっちり当時の国際的な消費組合も含めた協同組合の理論についての先端知識を得ていた影響の大きさにも言及された。
20161008資料室土曜講座・堀越さん(1)15%縮小.jpg

 参加者は、講師を含めて15名で、日生協・コープ共済連職員6名、医療福祉生協連1名、同OB3名、生協総研1名、会員生協1名、研究者1名、主婦連1名。今年の新人の方からシニアまで幅広い世代から参加があった。生協総研HPを含めてインターネットでの情報を見てという方もいらした。
 ディスカッションでは、現在の生協事業のあり方も問いたいと「消費論」への期待を抱いて参加された方もいて、レイドロー論文での言及部分のコピーを事務局で用意したものを堀越さんが説明でも使われて、柳田の問題意識は現在まで続くものだということが共有できた。資料室に閲覧に通って2011年に『原水爆禁止署名運動の誕生~東京・杉並の住民パワーと水脈』を書かれた丸浜江里子さんも参加され、東畑も橋浦泰雄と同じ地域で生協に関わっていたという情報も得て、生協総研初代専務理事の斎藤嘉璋さんも含めて歴史に学ぶ必要を共有できた。 
以上

【2016/10/12 12:57】 | 情報
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講師の堀越さんから補足説明がありました
Mより
堀越さんから、以下のメールをいただきました。
・・・・・・・・・・
 「なぜ柳田の消費組合論や協同組合論が評価されてこなかったのか」という問題についてですが、少し補足したいと思います。
 柳田の人間関係や厳しい考え方などもあり、多くの人々に理解されなかったのかもしれません。
 加えて柳田の主張や論述には、その真意・内容を理解することに難渋するところがあるように思います。柳田の文章は、よく丁寧に読まないとその真意を掴むことができないように思います。表現が比ゆ的であったり、文語的であったり、飛躍的であったり、文学的であったり、するからです。
 そして私もかつてそうであったように、柳田に対する先入観があります。柳田を信奉する人々(民俗学方面の)は偏った柳田理解に立っている場合が多いし、他方で農政学や経済学方面の人々は柳田の真意(生活・協同の意義)に目も向けないといった状況があったのではないでしょうか。
 いずれにしても柳田の「生活論」と「協同論」を整理することが今後の課題になろうかと思います。
以上
堀越芳昭

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コメント
この記事へのコメント
講師の堀越さんから補足説明がありました
堀越さんから、以下のメールをいただきました。
・・・・・・・・・・
 「なぜ柳田の消費組合論や協同組合論が評価されてこなかったのか」という問題についてですが、少し補足したいと思います。
 柳田の人間関係や厳しい考え方などもあり、多くの人々に理解されなかったのかもしれません。
 加えて柳田の主張や論述には、その真意・内容を理解することに難渋するところがあるように思います。柳田の文章は、よく丁寧に読まないとその真意を掴むことができないように思います。表現が比ゆ的であったり、文語的であったり、飛躍的であったり、文学的であったり、するからです。
 そして私もかつてそうであったように、柳田に対する先入観があります。柳田を信奉する人々(民俗学方面の)は偏った柳田理解に立っている場合が多いし、他方で農政学や経済学方面の人々は柳田の真意(生活・協同の意義)に目も向けないといった状況があったのではないでしょうか。
 いずれにしても柳田の「生活論」と「協同論」を整理することが今後の課題になろうかと思います。
以上
堀越芳昭
2016/10/21(Fri) 00:08 | URL  | Mより #9I5CiGdQ[ 編集]
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