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賀川豊彦の協同組合の7つの中心思想.jpg
<Mより発信>
東京学生消費組合の十周年に際して賀川豊彦が送った揮毫「未来は我等のものな里」については、このブログで既に記事を書いている。その記事はこちら
大学生協連がある周年記念でそのレプリカ(複製)の額を全国の生協に贈っていたのだが、それに触発されて灘神戸生協が標題の揮毫を全国の生協に贈ったというエピソードをご紹介したい。
大学生協連は、「1984年度トップ研修セミナー」で当時の灘神戸生協組合長理事だった高村勣さんに「生協の現状と80年代の展望」というテーマで講演をしていただき、講演録を『大学生協経営資料』1984年2月発行の第46号に掲載している。当時の大学生協連の専務理事だった高橋晴雄さんが依頼をして実現したのだが、その高村氏は冒頭に「大学生協というと先入観があり、みなさんの波長にあう話などできないのではと思っていましたが、先日送っていただきましたみなさんの機関誌を読んで安心いたしました。福武会長の文章には時々お目にかかっていましたが、福武先生の論旨ははなはだ明快であり、そしてしかも非常に常識的であり、同じ生協運動者として琴線にふれるものがあったわけであります。そういう意味で、これだったら安心して何とか話ができるのではないかと思って来ました」と話を切り出されており、このセミナーは高村さんから大学生協連は路線的に遠いと思われていた距離感がなくなった画期的なものだったことがわかる。
そして灘神戸生協の歴史と現状を語り、賀川豊彦の考えた「協同組合の中心思想」について、戦後に灘生協(存命中は合併前だった)に講演でいらした際に「先生、何か書いてください」とその場で立ったままサッサッサと書かれた揮毫を額にして常勤役員の会議室に掲げられてあったものをコピーで紹介しながら語られている。そして講演資料として部下にコピーをさせながら、「おい、ひとつこれをコピーして全国の生協の仲間に進呈しようやないか」ということになり、作業指示をして講演にきたのだと語っているのだった。
この講演録は、昨年2015年3月に高村さんが亡くなって、追悼展を有志による実行委員会で開催することになり、高橋晴雄さんが掲載された『大学生協経営資料』も是非とも展示をしてほしいということで、資料室にも現物がないかを問合せをしていただいたことで貴重な資料だということがわかった。
この講演録からは一部分が、1999年に発行された高村さんの随想集『新版 生協人間』にも抄録として「生協の経営と経営者」というタイトルで掲載されているが、そのあたりのエピソードは載っていない。
最近、コープネット事業連合で賀川豊彦研究会をされているKさんが資料の閲覧にいらした際に、「賀川豊彦の協同組合の中心思想」の額を絵葉書にしたものを写真立てに入れたものをプレゼントしてくださったので、そのエピソードをお知らせしたところ、「知らなかった」と喜んでいただいた。
そこで、こちらのブログでもご紹介させていただくことにした。以下はKさんが絵葉書の附属資料にされている文からコピペさせていただく。冒頭の写真は、その資料からの転載。

【賀川豊彦の揮毫「協同組合中心思想」】
   コープネット事業連合 賀川豊彦研究会
 1954年、当時灘生活協同組合(現コープこうべ)の田中俊介組合長の要請により、賀川豊彦がその場で書いた協同組合中心思想です。 ※原版は1995年阪神・淡路大震災で焼失!(→焼失したのではなく瓦礫の中に埋まっていたという証言コメントをいただきました。)
◆生協運動に対する賀川豊彦の思想が7つの言葉に集約されています。
《利益共楽》
 安心・健康・福祉など人間の生活を向上させる利益を一人一人が力を分かち合い、共に豊かに幸せになろうとする協同組合運動の姿を意味している。
《人格経済》
 カネ(金)を中心に、強い者が勝ち弱い者が没落する利益追求の資本主義社会ではなく、いかに人間の尊厳を確保し、人間中心の経済社会を確立することを意味している。
《資本協同》
 労働の蓄積である貯蓄を互いに出資し合い、協同の理念のもと、生活を豊にする生産のための資本として活かすことを意味している。
《非搾取》
  弱者の犠牲の上に成り立つ、搾取によるカネ(金)持ち支配の社会ではなく、自由・平等で利益を分かち合える、共存共栄の社会を創造することを意味している。
《権力分散》
  権力が集約されることなく、個人個人が人間としての主権が保障され、一人ひとりが自分自身で自覚し、自立し、行動することの必要性を意味している。
《超政党》
  特定政党に偏することなく、生活者、消費者の立場で主張し、要求する生活協同組合の姿勢を意味している。
《教育中心》
 人間的な生活を確立するためには、個人個人の意識向上が必要である。それには、生活者一人ひとりの教養を広め、高める教育が重要であるということを意味している。

(追記)(コメントをいただいて2/26修正)
上記にもあるように、コープこうべにあった原版は阪神・淡路大震災で失われてしまったのだが、残った部分が確認できたのは「教育」の部分だったと元こうべの職員の方にお聞きしている。やはり協同組合は「教育」が大事だと何か象徴的に感じてしまった。そして、原版は失われても全国の生協に贈られたレプリカで賀川豊彦の揮毫に接することができるのは幸いというしかない。

(2/27写真の追加)
20150705こうべにある賀川豊彦の揮毫のレプリカ50%縮小
この記事を見た日本生協連のOGから、昨年亡くなった髙村勣さん(元コープこうべ理事長、元日本生協連会長)の追悼展(昨年7/5)に行かれた時に撮影したというレプリカの額の写真を送ってくださった。会場だったコープこうべ生活文化センターの2階にあったとのこと。
このような額が全国の生協にあるはずであり、是非ともこのような情報を共有化していただきたいと思っている。

(3/4追記)
日本生協連においては、渋谷コーププラザ12階の役員打合せ室に掲げられていることが確認できた。

【2016/02/24 19:59】 | 文献紹介
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「協同組合の中心思想」その後…
hassy
倒壊したコープこうべ本部の瓦礫から掘り出されたブツの目撃者です。確かに「教育中心」の言葉以降(左側)が残っていました(焼失ではなく瓦礫に埋もれておりました)。まさに“中心思想”で、何よりも教育が大切と、賀川さんが教えてくれたのでしょうね。
これを竹本理事長(当時)が持った写真? 新聞記事?があったように思うのですが…。それにしても…掘り出されたブツは、どこに行っちゃったんでしょうねぇ??


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「協同組合の中心思想」その後…
倒壊したコープこうべ本部の瓦礫から掘り出されたブツの目撃者です。確かに「教育中心」の言葉以降(左側)が残っていました(焼失ではなく瓦礫に埋もれておりました)。まさに“中心思想”で、何よりも教育が大切と、賀川さんが教えてくれたのでしょうね。
これを竹本理事長(当時)が持った写真? 新聞記事?があったように思うのですが…。それにしても…掘り出されたブツは、どこに行っちゃったんでしょうねぇ??
2016/02/25(Thu) 10:31 | URL  | hassy #-[ 編集]
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