季刊『at』15号賀川特集の表紙.jpg
<Mより発信>
昨年の賀川豊彦献身100年に連動して、2009.4.02発売の季刊誌『at(あっと)』15号に賀川特集が組まれ、評判になっていて、私も早速買って読んだが実に面白かった。
それまでに賀川豊彦に関する本をきちんと読んだのは、隅谷三喜男著『賀川豊彦』(岩波書店の同時代ライブラリー、品切重版未定)くらいだった。『at』の特集は、11人の多様な執筆者がそれぞれのテーマで賀川豊彦を浮き彫りにしていて刺激的だった。
在庫もまだあるようだし、値段も手ごろなので賀川豊彦に興味をもっている方にはおすすめしたい1冊だ。
発売元太田出版公式サイトより、季刊『at(あっと)』15号の項

以下、賀川特集部分に関する部分を引用。

『at』15号【特集 賀川豊彦 その現代的可能性を求めて】
日本近代を代表する社会運動家にしてキリスト者、ベストセラー作家でもあった賀川豊彦は、戦後社会においてほとんど忘れ去られている巨人です。貧困救済から始まった彼の膨大な業績の中に何を見出すのか、経済恐慌と格差拡大の現在、私たちの歴史的想像力と社会的構想力が試されています。
今年は賀川豊彦が神戸のスラムに飛び込んで救貧活動を始めて百年を迎えます。賀川の創設による生協やキリスト教団などが、様々な記念事業を予定しています。賀川の思想と信仰の根幹には、友愛=相互扶助のエートスがあり、彼の全運動を駆動させていたことが改めて注目されることでしょう。
賀川豊彦の名前を知らないでも、日々の生協運動に関わる女性たちは一千万人のオーダーに達しています。賀川の播いた種は各地各領域で枝葉を伸ばしています。今こそ、それらの意義を吟味し、より大きな展望と連携の中に据え直すことは、苦悶する資本主義と国家を内発的に超えるオルタナティブな回路を準備するでしょう。本特集がその一端に連なることを願っています。

特集の主要な論文は次の通りです。(敬称略)
・ 山折哲雄  「抑圧された賀川思想の回帰」
・ 田中康夫  「〈KOBE〉、その引力と斥力」
・ 加山久夫  「賀川豊彦の〈神の国〉を考える」
・ 栗林輝夫  「不況の中で賀川の神学を再読する」
・ 倉橋正直  「賀川豊彦と満州キリスト教開拓団」
・ 増田大成  「今、生活協同組合の賀川豊彦を問う」
・ 澤口隆志  「賀川豊彦と生活クラブ運動」
・ 小南浩一  「賀川の労働運動論と〈社会化〉主義」
・ 池田雄一  「留保なき救済とメロドラマ」
・ 外山恒一  「ファシストの目に映る賀川像」
・ 杉浦秀典  「〈賀川豊彦献身100年記念事業〉の概要紹介」

『at(あっと)』のその後について
賀川特集の組まれた15号の後、編集発行体制が変更になっている。その情報も以下、太田出版の公式サイトよりのほぼ引用のかたちでご紹介しておく。
『at』はオルター・トレード・ジャパンが発行体となり太田出版が発売を担当してきたものですが、その契約が終了するに伴い、太田出版が新しく発行元となり内容も一新、新創刊として『atプラス』を出版することになりました。
2009年8月5日、太田出版より「思想と活動」をテーマにした雑誌『atプラス』が創刊されました。
事象を原理的思考と歴史性から読み解く「思想」と、多様な人びとの協同から生み出される「活動」に焦点をあてます。皮相的な分析とは一線を画し、「モノゴトを根本的にとらえなおす」ことを基本に若い書き手を加え、活発に問題提起を行っていきます。
太田出版の『atプラス』の項

【2010/05/06 23:59】 | 文献紹介
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