『新版 1945年8月6日』表紙
<Mより発信>
被曝者のご証言を記録に残すボランティアに取り組むようになって、より深く理解できるようにと原爆をテーマにした文学作品を系統的に読み始めた。林京子の『祭りの場・ギヤマン ビードロ』(講談社文芸文庫)の作家案内のところに、川西政明が日本の原爆文学を以下の3派に大別したとあったので、私の読んだ作家をその中で確認してみた。(1)原爆投下時に広島・長崎にいあわせた文学者たち:原民喜・大田洋子ら、(2)被爆者ではないが自らの内なる広島・長崎を主題に作品を書く人たち:井伏鱒二・大江健三郎ら、(3)学生時代に被爆し長じて作家となり、被爆後遺症の不安にさらされながら自己を凝視め、亡くなって行った友人や家族を鎮魂する作品を書いた人たち:林京子ら。

それぞれの方の広島・長崎での被爆体験からの作品、体験からではないが共感の中で被爆者を描き出した作品、被爆後のその後の人生を本人だけでなく多くの人物像として描き出している作品など、実にさまざまである。
永井隆の『長崎の鐘』も読んだが、クリスチャンとして天与の受難として受けとめてしまうという結末に共感できなかった。犠牲になって亡くなったクリスチャンの血で贖われなければならなかったものなどないと思った。

一方で、当時の歴史に関わる本も少しずつ読んでいる。半藤一利の『日本のいちばん長い夏』 (文春新書) は当時、政治や軍部の中枢から前線の将兵や銃後にいた人々まで、30人の貴重な証言。戦争がなぜ早くに収束できなかったのかもよくわかった。戦争を起こさない、早く収束させるためにどんな努力が必要かということを考えさせられる。
系統的に勉強を続けながら、ご証言の記録を残す取り組みも続けたいと思っている。

冒頭の写真は、伊東 壮の『新版 1945年8月6日―ヒロシマは語りつづける』 (岩波ジュニア新書) の表紙写真。ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会での11/8の「被爆の証言を聞くつどい」のご証言者・山本英典さんがまず読んで欲しいと推薦されていた本だ。アマゾンのカスタマーレビューにも「子供も大人も関係なく是非一度は読んでみて欲しい。そして戦争について考え始める一つの入門書としてほしい」とあった。私もなるべく早く読もうと思っている。

【2014/11/22 11:21】 | 文献紹介
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