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<Mより発信>
 10月31日(金)PM、職場の教育PJTで賀川豊彦記念松沢資料館の見学に行ってきた。3回目くらいの見学だが、今回は館長が交代され、新館長の金井新二先生にもご挨拶したいと思い、参加してきた。DVD「愛と協同」の鑑賞、金井館長の講演「賀川豊彦、近代日本のチャレンジ精神」、そして杉浦副館長による展示説明をお聞きしてきた。
前回2012年12月の「賀川豊彦と協同組合運動展」の見学の報告記事はこちら

以下、今回の見学から考えたことを書かせていただく。

 「社会主義」という言葉は、1991年にソ連邦崩壊以降、信奉者が激減しただけでなく、いわゆる多数派をめざすためには敬遠されがちな言葉になってきているように思う。しかしながら、そもそもは、ということを考えてみる。「ブリタニカ国際大百科事典」の「社会主義」の用語解説によると、「資本主義の矛盾を批判し、これを克服して、新たな社会を建設しようとする思想と運動の総称。この思想は、資本主義とほぼ同時に生れたといえる」とある。
 19世紀前半にヨーロッパに生まれた「ユートビア社会主義」、社会民主主義、マルクス主義、キリスト教的人権思想と社会民主主義が融合したキリスト教社会主義、社会主義がさらに発展した段階といわれる共産主義など、実に多様な思想として展開している。
 キリスト教社会主義を日本において代表する人物として、賀川豊彦、吉野作造、片山哲(戦後、短期間だが首相になった)が挙げられると思う。そして、賀川、吉野はいずれも生協に大きく関わっている。賀川豊彦の指導により設立された生協は、「灘購買組合」、「神戸購買組合(のちに消費組合に改称)」、関東大震災以降に移り住んだ東京で「江東消費組合」、「東京学生消費組合」など。そして、吉野作造たち東大YMCAのメンバーが中心になって設立された「家庭購買組合」は戦前最大の生協だったのだが、戦後の混乱の中でたちゆかなくなって解散してしまったので忘れ去られている。
 日本においても資本主義社会の発達してくる中で、その矛盾を解決して社会をよりよく変えていこうとするために立ち上がった人々がいて、キリスト教社会主義だったり、共産主義だったり思想的な立場はそれぞれだったが、様々な取り組みがあって、その中に生協だったりその他の協同組合を立ち上げて頑張っていたのだということを、まずはおさえておこう。そうなると、社会をよりよくしていこうという活動を広くとらえることができて、生協が事業だけではなく社会的活動に取り組む必然性がより理解しやすくなるのではないだろうか。
 2009年の賀川豊彦献身100年記念事業、2012年のIYCの取り組み以降、松沢資料館が2013年3月から毎年「賀川スクーリング」を開催し、2014年度からはセミアニュアルレポート『賀川豊彦と協同組合』を年2回発行され、協同組合の人材育成の中で役立ちたいというミッションを明確にされていることが頼もしい。さらに今年度、吉野作造記念館と共同で「吉野作造と賀川豊彦~貧しき者、弱き者のために」がそれぞれの会場で巡回で開催されるという企画のご紹介があって、これは大変よい企画ではないかと思えた。是非、観にいきたいと思う。
10/12~12/28の大崎市の吉野作造記念館における「吉野作造と賀川豊彦~貧しき者、弱き者のために」の案内はこちら
吉野作造記念館のHPはこちら
 日本の社会は、二大政党制志向の大失敗以降、ますます弱者切捨て、格差拡大を強めている。日本生協連の職員も時代の空気の中で息苦しく、展望をもつ気力を維持するのが難しくなっている。そういった時に、先人の実践から勇気をもらえることがあるだろう。
 松沢資料館には、そういう賀川豊彦という協同組合の先人のスピリットを後世や世界の人々に発信していただきたいし、私もできることはしっかりやっていきたいと思っている。
以上

【2014/11/05 18:00】 | 情報
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