<Mより発信>
JCCU協同組合塾の2012年度第1回例会が開催されました。昨年秋に『福島後「維持可能な日本」をつくる 協同運動と新社会システム』を出版された大嶋茂男さんの講演をお願いしましたが、その内容をさらに磨き上げられたお話でした。もっと読みやすくした冊子版を出して欲しいという声があちこちから寄せられたということで、私たちの勉強会にあわせて原稿をまとめられたものをお持ちくださいました。
長年、生協運動、消費者運動、社会運動に取り組まれてこられた大先輩の情熱は、参加者の心に熱く届いたようで、講演後の懇親会は熱気を帯びて盛り上がりました。
以下、K代表が労組に報告した内容を踏まえてアップします。

【2012年度第1回例会報告】
1.開催日時:2012年5月18日(金)18時~21時30分
2.参加者:計19名(労組員11名および家族1名。非労組員7名)
3.講演テーマ:「持続可能性への転換、内需循環・地域自立経済の実現」
4.講師:大嶋 茂男 氏 (NPO法人 中小企業・地域振興センター理事長)
5.講演の主な内容
2012年は、国連が定めた「国際協同組合年」であり、「すべての人のための持続可能エネルギー国際年」である。世の中、必ずこの方向に変わっていかなければならない。その年だからこそ、持続可能な社会づくりと協同組合の役割が重要と大嶋氏は最初に話された。以下、大嶋氏の講演の主な内容である。

福島原発事故を経験した後で考えると、持続可能な社会とは以下の三つの条件を満たすものでなければならない。
第1に、人類と地域社会の持続可能な発展を最優先で考えること。具体的には、利潤追求第一主義で考え自然を収奪の対象としてみて、「カネが儲かる、便利になる、速くする」を優先するのでなく、生命が生きる条件を豊かにすることを基本的な基準とすること。〔生態系としての持続可能性の視点〕。この視点に立たない限り第二の福島が必ず起きる。
第2に、放射能汚染のように、自らの世代が解決できない問題を絶対に後の世代に残さないこと。換言すれば、汚染者負担の原則(PPPの原則)を厳格に守り、世代間の責任を全うすること〔社会的責任の視点〕。
第3に、文化的生存権を守るために、すべての人に人間にふさわしい仕事を保証すること〔現在生きる人間への責任の視点〕。青年など職を求めている人が人間にふさわしい仕事につけないでいるのは、社会の責任であり、損失である。本人の自己責任とするのは大きな過ちである。
以上、三つの持続可能性を保障するのは、生命の生きる条件を豊かにすることを第一義的に追求し、そのために多様な協同活動を重視する“生命が生きる地域を協同創造する路線”である。その意味では、協同することの重要性・根源性を改めて問い直す必要があるだろう。だからこの路線は“生命地域の協同創造”路線ということができる。

そして、大嶋氏は、こうした持続可能な社会を実現するために、①アメリカの単独支配原理から世界市民のつくる人類の存続可能な秩序へ、②人間の幸せを実現する経済学(人間という種の再生産、そのための使用価値の再生産)、③地域内の資源の循環を中心にした「内需循環・地域自立型経済」での雇用政策、④維持可能な生活・生産様式、⑤資本主義的市場経済、公共経済、協同経済の良いとこ取りの5点を提言され詳しく説明された。

6.懇親交流会
講演後、講師を囲み懇親交流会が開催された。交流会では参加者一人ひとりから自己紹介と講演の感想が述べられた。「戦後の賀川豊彦氏のように社会全体の改造を提言されていて、すばらしい」「20年前に大嶋氏の『永続経済と協同組合』(*)を読み、関心がありました」「大嶋氏の講演を聞きたいと思っていたところ、今回の企画があり参加しました。とても感銘しました」などの感想が述べられ、有意義な交流がはかられた。
以上

(*『永続経済と協同組合』(大月書店)についての補足情報)中国語版が出されているそうです。

【2012/06/07 20:30】 | 主催企画報告
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