「協同組合の理論と実際」と新書版の大きさ比較

<Mより発信>
先のKさんの記事で要約をご紹介いただけるとあった賀川豊彦著『協同組合の理論と実際』についての関連情報をアップさせていただきます。
嶋根善太郎氏の連載紹介(3)の私の注記で紹介した『生協運動 想いで集』に寄せられた高村勣氏の文章に下記のように言及があります。

「思い出の数々と賀川豊彦」のP21より(二)賀川豊彦との出会い
戦時中、一兵士として宮崎で本土決戦の対戦車砲の部隊にいたが、敗戦とともに芦屋に復員してきて学校に戻った。大学は復員兵であふれていて何とか理由をつけて早々と学生を卒業させるようにした。私も実際に学校にいっていないのに国家に役に立ったのだからと、1946年の9月に卒業させられた。敗戦後一年、当時の日本はまだ混乱のどん底にあって、食うものも職もなく敗戦国の悲哀を味わっていた。

その時、当時の灘購買利用組合の組合長をしていた田中俊介さんの息子の永俊君(1991年死去)と同級生で仲良しだった縁でよく家に遊びに行っていたので、田中さんに何時までも遊んでいる訳にいかんだろうと組合に入ることを強く勧められた。神戸の地では灘購買といえば少しは知られた存在になっていたが、よそ者の私にはまったく何もわからないまま、永俊君と一緒に腰掛けのつもりで働くことにした。

小学校以来15年間も戦時中の教育をうけて育ってきたわれわれにとって、敗戦後の思想改革に対応することは極めて困難なことで呆然と日々をすごしていた。日本という国が存続できるのか、何をもって再建してゆくのか、議論はとどまるところを知らずの状況であった。

そんなある日、新入生教育の資料として与えられたのが賀川豊彦の『協同親合の理論と実際』であった。掌中に入る判で僅か58頁余のこのザラ紙の論文、主張が私に与えた衝撃は大きかった。賀川の名は小説『死線を越えて』の著者として知ってはいたが、わたくしには無縁の人であった。賀川の人間観、世界観そして協同組合にかける彼の使命感にたちまちにして引きずり込まれ、囚われの身となった。この小冊子によって腰掛けのつもりがとうとう50年もこの生協で働き続けることになった。賀川が創ったコープこうべ、そして賀川を初代会長とする日生協に私の生涯をささげる事になったのは全く、賀川の導きの結果であると心から感謝している。

賀川には「協同組合の中心思想を録す」という書が大きな扁額で残されている。彼が田中俊介のためにコープこうべでその晩年に書いた、達筆でほかにその例を見ない貴重な文字であり、これはコープこうべのみならず日本の生協の貴重な財産と思う。コープこうべ70周年のときに復写して広くお配りしたので各地で見ることができる。8年前(1995年)の震災で原本をなくしてしまったのはなんとも残念でならないが 肉筆のコピーが何時までも賀川の精神を伝えていくことになろう。賀川については多くの人が書いてくれるのでここまでとする。

(Mによる注記)
賀川豊彦著『協同組合の理論と実際』という冊子の現物は、日本生協連資料室に2冊あります。実にコンパクトでハンディですが、時代性もあっていかんせん文字も小さく、行間も狭いです。写真は、新書版の『現代日本生協運動小史』と並べたところを撮影したものですが、大きさのイメージが湧くと思います。
高村氏の生協人生を決定づけたということがわかり、拡大コピーの原紙をつくっておき、昨年の「賀川豊彦研究会」のメンバーには読んでいただくようにしていました。
Kさんによると『友愛の政治経済学』よりも日本人向けに書かれているのでわかりやすいということでした。

以下に現・日本生協連会長の山下俊史氏が講演で引用されたというエピソードなどがあります。
最近、リニューアルオープンした神戸の「賀川記念館」に展示されていた上記の冊子のコピーを、現・日本生協連会長の山下俊史氏が入手され、4/21に日生協職員学習会「コープ商品誕生50周年記念講演」でコープ商品の考え方の原点として引用され、日本生協連内で俄かに脚光を浴びました。
昨年から関係者には折にふれて復刻出版をおすすめしてきましたが、ブックレットか新書版くらいで復刻出版していただきたいと願っているところです。


さらに共同通信の伴 武澄(ばん たけずみ)氏のブログ「Think Kagawa!」で、『協同組合の理論と実際』を連載の形で全文ご紹介いただいていることも合わせてお知らせします。
 
『協同組合の理論と実際』の連載紹介部分はこちら



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最近、リニューアルオープンした神戸の「賀川記念館」に展示されていた上記の冊子のコピーを、現・日本生協連会長の山下俊史氏が入手され、4/21に日生協職員学習会「コープ商品誕生50周年記念講演」でコープ商品の考え方の原点として引用され、日本生協連内で俄かに脚光を浴びました。
昨年から関係者には折にふれて復刻出版をおすすめしてきましたが、ブックレットか新書版くらいで復刻出版していただきたいと願っているところです。


さらに共同通信の伴 武澄(ばん たけずみ)氏のブログ「Think Kagawa!」で、『協同組合の理論と実際』を連載の形で全文ご紹介いただいていることも合わせてお知らせします。
 
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【2010/04/27 23:59】 | アーカイブ
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