<Kより発信>
JCCU協同組合塾2011年度第1回例会が10/3に開催されました。

【JCCU協同組合塾2011年度第1回例会の報告】
1.開催日時:2011年10月3日(月)18時~21時30分
2.参加者:計19名
3.講 演
 テーマ:「日本型生協の現在と未来」
 講師:杉本貴志氏(関西大学商学部教授)

4.講演内容
 杉本氏は、イギリスの生協の歴史を振り返る中で、日本が今後、とるべき未来に向けた政策方向について見解を述べられた。大変示唆に富む講演であった。講演後は、杉本講師を囲んで、感想交流会がもたれた。
 以下、杉本氏の講演のポイント。
●ロッデール公正開拓者組合が協同組合のはじまりと書かれているテキストが多いが、それは間違いである。ロバート・オウエンが協同村建設などの実験をし、その後オウエン派の人たちが、1820年から1830年代に、協同組合店舗設立運動を展開した。しかし、それらは1830年代末には壊滅した。こうした過去の失敗から学んで、1844年にロッチデールでは「ロッチデール原則」といわれる運営方法によって成功をおさめた。成功の要因は、特に、「市価販売と利用高割戻し」「現金販売」などである。
●イギリスの生協は、100年前の第1次大戦頃がピークで、世界最強の小売業を展開した。しかし、第2次大戦以降は長期低落へ向かう。戦後は、チェーンストアの台頭で競争にさらされた。生協は、様々な生協が同じ地域に重複していたこと、意思決定の遅れ、割り戻しが目当て(中産階級の貯蓄機関)化、などの理由で後退していった。
●こうした後退に歯止めをかけたのが、1990年代の企業不祥事続発から起きたコーポレート・ガバナンス議論であった。イギリスの生協は、社会的責任経営を事業の中身の改革まで徹底した。大型店競争からは撤退し地域密着型のコンビニエンス・ストアとポスト・オフィス店舗の展開に重点を移した。そして、消費者が購買行動によって社会的な責任を果たせるような商品の提供を進めた。コープで買いものをすることは倫理的であり、社会を変えるための一歩だ、という舞台を消費者に提供した。具体的には、フェアトレード、第三世界支援、動物愛護などの倫理的商品の展開であった。生協は「公正」な社会をつくるための「きっかけ」づくり提供した。こうした取り組みによって2000年以降、イギリスの生協は復活した。
●日本の生協は、員外利用規制という法律にしばられてきた反面、そのことよって、組合員主義の特徴を活かした共同購入方式を開発し、戦後大きく発展してきた。しかし、1990年以降伸び悩みが続いている。「安心・安全」を中心に展開しているが、生産者や誰かを犠牲にしていないか?事業連合時代となり大規模化し、組合員中心主義は保てるか?競争状況の中で、非正規雇用が増えているが、生協はどう対応すべきか。こうした社会的課題に対し、日本の生協はイギリスの改革から学ぶことができるのではないか。
以上

追記;当日の例会に参加されていた大友氏が、コラボ・コープOBブログに感想記事を掲載されましたので、ご紹介しますので、ぜひご参照ください。

【2011/10/05 23:24】 | 主催企画報告
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