<Kより発信>
 1895年にロンドンで設立された世界の協同組合の連合組織、国際協同組合同盟(ICA)は、現在93カ国249団体、組合員は10億人を超える世界最大のNGOとなっている。国際協同組合デーは、全世界の協同組合員が心を一つにして協同組合運動の発展を祝い、平和とより良い生活を築くために運動の前進を誓い合う日で、毎年7月1土曜日と定められている。1923年から始まり今年89回を迎えた。
 今年の国際協同組合デーに関して、私も参加した記念中央集会なども含めて紹介する。

ICAの国際協同組合デーに向けたメッセージ
 
 ICAは、2011年の国際協同組合デーに向けて、『若者:協同組合の未来』というメッセージを発している。このテーマは、21世紀の協同組合の発展に欠かせない課題であると思えたので紹介する。以下、主な要旨。

 「2011年の国際協同組合デーのテーマは、協同組合の事業モデルがいかにして若者をエンパワーできるものであるかを強調しています。
 国際協同組合デーにあたり、若者による協同組合運動への参加を、全ての協同組合関係者が促進する必要性を呼びかけます。協同組合の事業モデルについて知らない若者は沢山います。学校のカリキュラムで協同組合に関する授業が組み込まれていないことが多いため、学校で習うことがないのです。また、自分たちが使っている製品やサービスが、協同組合によって提供されていることに気づかない若者もいるでしょう。
 ソーシャルメディアがかつてないほど若者どうしを結び付けているこの時代に、協同組合はまたとないチャンスを迎えています。協同組合は、この新たな世代にとって非常に魅力的な連携行動の形を具体的に示すモデルなのです。」

 私は、以前、千葉県にある私立大学の生協に在籍し、大学の商業の科目で担当教授から要請を受け生活協同組合について教壇で話したことがある。「学生達は、“生協”は知っているが、どのようなしくみと目的を持った組織かについては、ほとんどの学生は知らなかった。」講義の感想文を読むと、興味・関心を持ってくれた学生が多かったことを思い出した。

国際協同組合デー記念中央集会
 
 さて、日本においては、日本協同組合連絡協議会(JJC)と2012国際協同年全国実行委員会主催による『第89回国際協同組合デー記念中央集会』が、7月14日に新宿・全労済ホールにおいて開催された。
 今年の記念中央集会のテーマは、『震災復興のために協同組合に何ができるか』であった。農協、漁協、生協の代表がパネラーとなり 小林正弥(千葉大学大学院教授)氏がコーディネーターを務められた。
 私は、これまで、農協や漁協は、行政との関わりが深いので、行政機関のように感じられ、一戸ごとが共同する協同組合のイメージを持てなかったというのが本音だった。
 今回は、震災にあたっての農協・漁協の活動報告を聞いて、協同組合の仲間であると感じることができた。JAいわて花巻では、各農家が、白米を1升ずつ出し合い43tも集め、被災地域に届けたという。宮城県漁協では、ほとんどの組合員が漁船・漁具・施設、住居の大きな損壊を受けたにも関わらず、これまでも共同で守ってきた漁業を復興しようという団結力が強いのに驚いた。また、会場発言の全労済、労働金庫、ワーカーズコープなども、協同組合らしい支援活動を幅広く展開している。生協では組合員だけでなく地域への支援活動も全国の生協が協力し展開した。大震災に遭遇し、これまで縦割りになっていた協同組合が、はじめて、ひとつになったように思えた。
 コーディネーターの小林教授は、公共哲学の立場から、公(公助)、私(自助)中心の社会から共(共助)・友愛・新しい公共のセクターが社会を担っていくことへの期待が述べられた。2009年の国連総会が定めた「2012年の国際協同組合年」に向けて、各協同組合はその存在意義を再度確認し、協同組合陣営として力を合わせ、社会に発信できたらよいと思った。

 最後に、ICA会長のポーリン・グリーン氏の記者会見の記事を紹介する。
 2009年に女性初のICA会長に就任したポーリン・グリーン氏が来日し、地震と津波で壊滅的被害を受けた宮城県亘理町や名取市を視察した。農協や漁協が被災した農漁家の再起に力を貸したり、全国の生協が被災地支援に尽力したりした実態を知り感銘を受けたという。「人々の心に訴え、ニーズにこたえる日本の農協や生協の活動は、協同組合活動の原点である」と語った。
 協同組合活動は世界の隅々まで浸透し、健全な市民社会の形成に役立っているのだが、認知度はいま一つ。認知度を高めるのがICAの最大の課題で、そのために来年の国際協同組合年を活用したいという。
 世界中の国々が抱える経済社会問題を解決するのに、協同組合のビジネスモデルが最も有効であること知ってもらいたい。エネルギーの確保、福祉の充実、地域の再生などの課題に取り組むのに、協同組合モデルは適している。その証拠に国民の満足度の高い北欧の国々では、協同組合活動が盛んだという事実を挙げた。
(日本記者クラブ企画委員 村田泰夫氏の会見メモより掲載)



【2011/07/20 19:50】 | ブログ
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