<Mより発信>
2010年度「JCCU協同組合塾」皆勤賞の本『友愛って何や・私だけの賀川論』(辻川忠隆著)を読み終えました。
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辻川さんの豪放磊落だったご様子がなんとなく思い出されます。マルクス主義への対決姿勢をかなり強調しているところには苦笑してしまいましたが、灘神戸生協労組の経営民主化闘争あたりのくだりを読むと労務管理者の側の意識もわかるのでなるほどなぁと思いました。
私は大学の法律学科で一年間、会社法の「労働者の経営参加」をテーマにした客員教授の下でゼミにいました。イギリスの会社法では監査機関の中に労組の代表を入れています。イギリスの労働運動は労働党を支えているわけですから、あらゆる組織の執行権力の中に入りこむ志向が強いのだと思います。その志向で当時の灘神戸生協労組は理事会の上にまた機関をつくり、その中に入るように要求したのだろうし、今から思えば、日本の労使関係からするとちょっと非現実的な要求だったのではないかとと推測しました。
その時の労組の委員長だった方は、仕事でも有能でいらしたようで、その後、デパートメントストア業態に挑戦した「sheer」の店長を任されたとも聞いています。
人間がつくる組織や社会の歴史というものは、実に興味深いです。

また、「友愛」という言葉についてもいろいろと考えてしまいました。フランス革命の理念となった「自由」「平等」「博愛」の「博愛」が「友愛」にあたるとのことです。「自由」と「平等」は対立する概念であり、それを「博愛」=「友愛」が融和するという指摘は興味深かったです。フランス革命は台頭するブルジョワジーがリーダーシップをとりましたが、その後の資本主義の発展の中で資本の論理は暴走する可能性をもっているわけです。
「平等」をつきつめた社会主義国家も多くはなくなってしまった今の時代に、資本主義体制を続けながら資本の暴走に歯止めをかけ、民主主義の良い面を伸ばしていくためにも「友愛」の理念を活かしていくことの意義を感じます。

それに関連して「連帯」という理念との関係についていろいろと考えています。マイケル・ムーア監督のアメリカ社会を告発するドキュメンタリー映画をなるべく見るようにしています。「キャピタリズム」で福祉国家と呼ばれる国に取材に出かけ、税金の負担の大きさについて人々にたずねると「連帯のためさ(よ)」と答えが返ってきていました。
そういえば、ポーランドで共産党政権を倒したのは自主管理労組「連帯」で、その代表のワレサ氏が新政権の大統領になったのでした。
格差社会化がすすんでいると言われますが、人々が階層ごとの利害を超えて「連帯」できるかどうかが解決の鍵になると思っているところです。その「連帯」と「友愛」について、いろいろと考えていくことを宿題にしてみようかと思っています。

(追伸)
「キャピタリズム」では、倒産した工場をそこで働く労働者たちが再建するために労働者協同組合をつくったというエピソードも登場しています。協同組合関係者には一見の価値があると思います。

【2011/02/03 19:39】 | 文献紹介
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