20161126土曜講座第3回講師の大川真さんトリミング.jpg

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 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、こちらでもご紹介させていただきました。11/26の第3回に参加してきましたので、以下、概要をご報告します。冒頭の写真は講演する大川真さん。

テーマ:「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」
※パワーポイント資料のタイトルは「賀川豊彦と吉野作造に学ぶ~貧困と戦争から世界を救うために~」でした。
講師:大川真/吉野作造記念館館長、
   国際日本文化研究センター共同研究員、
   尚絅学院大学非常勤講師、
   山形県立米沢女子短期大学非常勤講師


講義内容の概要
 古川市(合併後は大崎市)が公設で作った吉野作造記念館が2002年に民間委託となり、NPO法人「古川学人」(吉野作造の筆名が由来)が受託運営、2006年からの指定管理後も受託運営している。「古川学人」は吉野作造記念館の指定管理事業とともに、NPO事業として被災地支援や東アジア交流事業等多彩な事業を展開。
 大川さんは、まさに3.11で震災復興に関わりたいと東北大学の職を辞したということで、吉野作造記念館の副館長、館長をしながら、復興やまちづくり関連の事業開催のボランティア活動など多忙に過ごされている。自分としては賀川豊彦を先に知り、その後、吉野作造と関わることになった。時代は今、貧困の問題、平和の問題が切実になってきている。吉野さんや賀川さんを知れば生きる勇気が湧いてくるとのこと。
 日本を代表する政治学者であり「参加型民主主義の父」と言われる吉野作造のベースになっているのはフランス のレオン=ブルジョアが提唱した「社会連帯説」。国家は団体生活であり、参政権は団体生活の責任を個人が分担することとした。参政権は個々人が国家責任を分担するということに新しい根拠を見出しており、シティズンシップからの視点である。

Ⅰ.反貧困における両者の共闘:
 吉野は家庭購買組合が設立された1919年から亡くなる1933年まで理事長職をつとめていた(質疑で出た→強い中間集団作りでリーダー層の関係資本形成を重視)。吉野日記の記述からは賀川と計10回会っているが、元々友愛会で知ってはいたようで、関東大震災で賀川が拠点を東京に移してから協力する関係になっている。
 長男であり吉野作造没後に父の論集を編集した俊造氏の解説によると吉野のデモクラシーは純政治的要求と社会的要求の二面があるという。階級闘争による社会改革から生存権の保証へシフトしていくが、反貧困の思想家でもある吉野は日本における生存権提唱者だった。
20161126家庭購買組合史料展示(3)13%縮小

Ⅱ.平和をめぐる両者の共闘:
 1931年の満州事変が勃発後、軍部が自衛権の発動として説明していることを吉野は批判。侵略行動と書いた所は出版の際に伏字にされている。
 吉野作造記念館で現在開催している企画展「自由を愛し平和を貫く-吉野と安中教会」(~12/28)を準備する中で牧師の柏木義円へのハガキが見つかった。1931年10/20付の『上毛教界月報』第396号で日本は満蒙から引き揚げよと書かれたことに賛同する内容。吉野は1933年に亡くなり、その年に日本は国際連盟を脱退した。その後、マスコミだけでなく無産政党まで日本の貧困問題の解決のために満蒙をと主張していった。賀川やキリスト教団も開拓民を送り出した。
 まさに全体主義化を進めるのはマスコミと野党が批判しないことであるのは歴史の教訓。賀川は戦後に反省して平和運動に取り組んだ。今現在、希望を失うのは早計。先人の叡智を伝えて言葉の力によって私たちの連帯を築いていきましょう。

 参加者は講師を含めて17名で、日生協・コープ共済連職員5名、医療福祉生協連1名、生協総研1名、会員生協2名、地域生活研究所1名、賀川記念松沢資料館1名、研究者3名、主婦連・主婦会館2名。 
 
 ディスカッションでは、丸山眞男の「永久革命としての民主主義」的な議論や、自己規制の圧力が強まる実感がある中、生協、連合=労組でも「いのちを守る」課題として貧困問題の解決や平和をどう作るか話していくべきと話しあった。

吉野作造記念館の2016年度前期企画展「暮らしの向上を求めて~デモクラシーは暮らしから」に、資料室から家庭購買組合関係の史資料を貸し出して展示していただいた。企画展終了後の返却の際、展示で使われた説明パネルを一緒にお持ちいただき、今回の講座に合わせたミニ展示コーナーでも活用された。
 上から2点目の写真は、家庭購買組合の総会議事録で議長が吉野作造とあるページの写真。以下の写真2枚は、ミニ展示コーナーを撮影したもの。
20161126家庭購買組合史料展示(1)17%縮小

20161126家庭購買組合史料展示(2)15%縮小

※当初の講演テーマは「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」となっていましたが、パワーポイント資料のタイトルは「賀川豊彦と吉野作造に学ぶ~貧困と戦争から世界を救うために~」でした。松沢資料館での巡回展「賀川豊彦と吉野作造展」のオープニングシンポジウムと内容がかぶらないようにご配慮いただいたということです。それに今の日本の状況にマッチしています。

2016/10/8「日本生協連資料室土曜講座」第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」参加報告はこちら
2016/10/22「日本生協連資料室土曜講座」第2回「奥むめおに学ぶ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」参加報告はこちら

【2016/11/29 23:54】 | 情報
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 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、既にこちらでもご紹介させていただいています。(4テーマで10/8、10/22、11/26、12/3に開催。生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーでも紹介されています)
いよいよ最終回の第4回が12月3日に開催されます。ご参加をお奨めいたします。

【資料室土曜講座2016年度第4回】
12/3「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」(講師:尾崎(井内)智子さん)


1.第4回の12/3(土)の講義内容予定
テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」
講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
    同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
    元生協総研嘱託研究員

※参考文献:『くらしと協同』2015夏号掲載の 「戦時下の生活と女性運動~日本消費組合婦人協会の活動から」

 日本では女性の社会的地位は低く、協同組合の担い手も男性だった。大正後期から昭和初期にかけて現在につながる市民型の生協が設立され、1924年(大正13)年の神戸消費組合で家庭会が設立されたのを皮切りに、生協の利用者である女性を組織する家庭会・婦人会の組織作りと活動は、灘購買組合をはじめ全国に広がっていった。

 1932年(昭和7)年には東京日本橋の魚市場を築地に移転し中央卸売市場として整備する際に商工省が卸売り会社を1社に統合しようとすることへの反対運動に東京の3つの家庭会・婦人部が市川房枝らの婦選獲得同盟とともに参加した。課題によっては従来からロッチデール派、モスクワ派で対立していたグループを超えて提携できることがわかった。
 この経験を踏まえて、満州事変が起こって5年目の1936年(昭和11年)に、全国的な提携を目指して設立されたのが「日本消費組合婦人協会」である。協同組合運動の発展と消費組合によって「世界平和と人類の理想社会を実現」することを目的にしていた。

 そこで現在につながるような組合員による活動が推進されたのだが、協会設立の翌年に始まった日中戦争の泥沼化に伴い、婦人組合員の活動も変化していった。そして「東亜の平和」「国力を伸張」を目指すように協会は変わっていった。
 これらを実際の史資料で確認しながら検証をしている研究に学びたい。

2.開催要領、参加申込み方法
●開講場所:四ツ谷のプラザエフ5階会議室
●開催日程:4回開催。
 開講時間は、16時~18時
 (講義60分、質疑応答60分)
●参加費:無料
(詳細は、生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーに掲載されたので、そちらを参照ください。
該当記事はこちら

●参加申込方法:受講を希望する講座を選んで上記の記事にリンクされた受講申込書に必要事項を記入の上で下記のアドレスに送信してください。
 開講日の前日まで受け付けますが、なるべく早めにお申込みくださいますようお願いいたします。
 E-MAIL:shiryou-toiawaseアットjccu.coop 

■第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」(講師:堀越芳昭さん)の参加報告はこちら
■第2回「奥むめおに学ぶ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」(講師:広岡守穂さん)の参加報告はこちら
■第3回「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」(講師:大川真さん)の参加報告はこちら

【2016/11/28 17:22】 | 情報
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 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、既にこちらでもご紹介させていただいています。(4テーマで10/8、10/22、11/26、12/3に開催)
 第3回が11/26に開催されますので、ご参加をお奨めいたします。

【資料室土曜講座2016年度第3回】
11/26「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」(講師:大川真さん)


1.第3回の11/26(土)の講義内容予定
テーマ:「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」
講師:大川真/吉野作造記念館館長、
   国際日本文化研究センター共同研究員、
   尚絅学院大学非常勤講師、
   山形県立米沢女子短期大学非常勤講師

※参考文献:●宮城県協同組合こんわ会『宮城の協同組合人―23人の足跡-』「特集 吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」、●賀川豊彦記念松沢資料館『雲の柱』30号掲載の講演録(「賀川豊彦と吉野作造合同展」2015.4.29オープニング講演会)

 「民本主義」を主張して大正デモクラシーの代表的な論客となった吉野作造は、東大YMCAの藤田逸男たちが中心になって設立し戦前最大の生協になった家庭購買組合の理事長にもなった。賀川豊彦は、神戸消費組合、灘購買組合の設立を指導し、関東大震災からの復興の中で江東消費組合の設立を指導した。
 キリスト教の信仰を踏まえ、民衆の協同の力を引き出しながら消費組合も含めた社会活動に取り組んだ吉野作造、賀川豊彦という2人の先駆者の共通点、それぞれの特徴について学ぶ。関東大震災支援で神戸から活動拠点を移した賀川が吉野の口利きも得て、東京の復興支援をすすめた2人の協同の事実にも学ぶ。

2.開催要領、参加申込み方法
●開講場所:四ツ谷のプラザエフ5階会議室
●開催日程:4回開催。
 開講時間は、16時~18時
 (講義60分、質疑応答60分)
●参加費:無料
(詳細は、生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーに掲載されたので、そちらを参照ください。
該当記事はこちら

●参加申込方法:受講を希望する講座を選んで上記の記事にリンクされた受講申込書に必要事項を記入の上で下記のアドレスに送信してください。
 開講日の前日まで受け付けますが、なるべく早めにお申込みくださいますようお願いいたします。
 E-MAIL:shiryou-toiawaseアットjccu.coop 

■以下、最終の第4回の開催回・日程・講義内容予定 
統一テーマ:
「生協運動の現在につながるテーマについての先駆者に学ぶ」


【第4回:12/3 (土)】テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」
講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
   同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
   元生協総研嘱託研究員

■第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」(講師:堀越芳昭さん)の参加報告はこちら
■第2回「奥むめおに学ぶ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」(講師:広岡守穂さん)の参加報告はこちら

【2016/11/14 12:35】 | 情報
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20161119平塚らいてうシンポチラシ10%縮小.jpg

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11/19の2つの企画をご紹介します。安保法制廃止をめざす毎月の19日行動の日でもあります。皆様、悩んで選んでご参加くださいませ。

【情報1】「平塚らいてう生誕130年記念シンポジウム」

企画概要:チラシより引用。
 らいてう生誕130年、らいてうの家オープン10年の現在、「戦争法」を廃止させ、平和憲法を守り、戦争や暴力で傷つけられた女性の尊厳を回復することができるのか-それが問われています。らいてうのめざした「女性がつくる平和社会」を実現するために、わたしたち一人ひとりは何をすべきでしょうか。
 アメリカと日本の2つの国をみつめてきた日本文化研究者のノーマ・フィールドさんをシカゴからお迎えし、憲法学者と女性史研究者とともに語り合うつどいを企画しました。
 ごいっしょに、それぞれの言葉で“わたしたちの現在(いま)”を考えましょう。

日時:2016年11月19日(土) 13:30開会
場所:主婦会館プラザエフ(東京・JR四ツ谷駅前)
主催:NPO法人 平塚らいてうの会→HPはこちら
参加費:一般 2000円、学生 1000円
参加申込みとお問い合わせ先→eメール:raichouアットnifty.com
パネリスト:
ノーマ・フィールド=シカゴ大学名誉教授
青井未帆=学習院大学教授
米田佐代子(兼コーディネーター)=平塚らいてうの会会長    
※なお、「平塚らいてうの会」は日本女子大学による第12回(2016年)「平塚らいてう賞〈特別〉」を受賞されたとのことです。

【情報2】「第37回賀川豊彦記念講演会」(講師:元内閣法制局長官 阪田雅裕氏)

『「法の番人」内閣法制局の矜持』(大月書店)を書かれた元内閣法制局長官の阪田雅裕さんによる講演会です。

日時:2016年11月19日(土)14:00~16:00
会場:明治学院大学白金校舎 2号館2101教室
講演テーマ:「民主主義の帝王学―日本の未来を考える―」  
講師:阪田雅裕氏(弁護士、元内閣法制局長官)
略歴:東京大学法学部卒業、大蔵省入省、
ロスアンゼルス総領事館領事、内閣法制局参事官、
大蔵省銀行局保険部保険第二課長、
国税庁長官官房総務課長、
大蔵省大臣官房審議官等を歴任の後、
2006年内閣法制局長官に就任。退官後に弁護士登録し、
現在アンダーソン・毛利・友常 法律事務所顧問。

主催:賀川豊彦記念講座委員会、賀川豊彦学会
後援:明治学院大学キリスト教研究所、
    賀川豊彦記念松沢資料館
詳細はこちらへ
参加申込みとお問い合わせ先→eメール:kouenkaiアットunchusha.com

20161119賀川記念講演会チラシ10%縮小.jpg

【2016/11/08 23:28】 | 情報
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