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<Mより発信>
東日本大震災による福島原発事故以降、自然エネルギーへの転換をすすめていくことが社会的な大きな課題になっている。現在の日本では電気事業が9大電力会社に独占されているが、その見直しも必要になってくる。自然エネルギー転換の先進国ではいろいろな形で自由化がすすんでいる。それを協同組合の事業として取組めないかということもいろいろな方が検討されているようだ。
それに関して、資料室にあった情報の提供をさせていただく。
【戦後すぐの日本には電気事業をしていた協同組合があった!】
9/19に日生協元常務理事の岡本好廣さん(当塾の「賀川豊彦研究会」時代(2009年度)にご講演いただいている)が資料室に来室され、この日開催される全共連のシンポジウムで言及したいことの確認にいらした。
1950年に厚生省が作成した「全国生活協同組合名簿」は当時の日生協職員は誰でも持っていたので資料室にあるのではないかとのこと。データベース検索では同年に東京都民生局生活課の「東京都生活協同組合名簿」があるので、同時期に全国の名簿が作成されたことは推測できる。その頃は今のような電気事業への規制がなく、電気事業をするための生協があったので名前を知りたいということだった。生協法ができた頃は厚生省も生協の育成に熱心であり、厚生省の監修で『生活協同組合』という月刊誌を出していた。それに1953~57年に毎年実施されていた「消費生活協同組合実態調査」の報告部分のコピーがクリアファイルに入っているのは見つけてあった。それを見ていただいたところ、昭和27年度調査結果の中の資料で電気事業で8地域組合あったことがわかったので、今回はそれで間に合わせることになった(引き続き、現物の捜索も依頼された)。
民間会社の電気事業も戦争遂行のために国が管理するようになったという歴史がある。戦後はそれを8つの電気会社に独占させる(天下り先になることも前提)ようにしていった(後に沖縄電力が加わって9大電力会社になる)。その完全移行前の時代に、地域の集落で電気事業をするための生協が成り立ったのだと思われる。当時は水の流れのあるところに普通にあった水車を使ったものだと推測している。
話題になっている「小水力発電」に該当するのだと思う。水力発電というと、大きなダムをつくってというイメージがあるが、環境を破壊せず、大きな環境負荷をかけずに人間が利用させてもらえる「小水力発電」の可能性は大きいと思うので、今後ますますの研究と地域での取り組みが広がっていくことを期待したいものだ。
以上
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【2011/10/28 20:00】 | 情報
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1957.2「消費者宣言」が採択された第1回全国消費者大会.jpg

<Mより発信>
資料室に歴史的な情報提供のリクエストがけっこうくるようになった。職員が取引先などに聞かれてその回答をしたいとこちらに問合せがきたりもする。参考になりそうなので、今回はその一例からご紹介してみる。
【日本でも戦前から「消費者運動」はあった?!...】
質問は以下の2点だった。
①「消費者」という言葉の起源を調べています。日本での起源をお教えいただけませんか?
②日本生協連主催で、昭和32年(1957年)に全国消費者大会なるものが催されているようですが、その頃すでに消費者という言葉が一般的であったのかどうか?すみませんが、以上2点お教えいただければ助かります。

私の回答は以下の通り。
ご質問の①、②に即答するような書き方にはなっていませんが、以下、1~3へと読んでいただければ大体、回答になっているのではないかと存じます。
1.「消費者」という言葉の起源について
以下、Wikipediaの「消費者 」の項や『現代日本生協運動史』なども踏まえて大幅補筆。
そもそも「消費者」(英語:consumer)とは、「生産者」と対になった経済学用語であり生態学用語。財やサービスを消費する 主体のことである。食物連鎖では動物のこと。前者について以下、記述。
具体的には、代価を払って最終的に商品を使用する、もしくはサービスを受ける者のことで、貨幣経済が生まれた時からの概念と思われる。
イギリスで18世紀から19世紀にかけて起こった産業革命以降、世界各国で産業の変化、資本主義経済化が大きく進展し、賃金労働者が大きな層として生まれた。自給自足で生活できなくなり、生活に必要な商品をお金を払って手に入れるしかない賃金労働者、その他の勤労者が「消費者」として大きな集団を形成した。しかしながら組織化されていなかったため、事業者に対して発言する力を持たず、弱い立場に長らく立たされていた。
イギリスでは労働者階級の形成とともに、さまざまな社会運動が生まれた。労働問題の改善のために労働組合が、生活の改善のために生活協同組合が双子のように生まれたとされる。特に生活協同組合の中でも悪徳商人からの収奪を受ける消費者問題から身を守るために消費生活を改善するための消費組合がロッチデール公正先駆者組合の成功後、世界に広がっていった。
日本においても列強諸国に追いつけ追い越せの「殖産興業」「富国強兵」政策のもと、産業資本の確立と労働運動が生まれてくる。その中で日清戦争後の物価高騰で労働争議や「米騒動」が発生した。1900年には産業組合法が治安警察法と同時に制定される。産業組合法はドイツ法を踏まえたのでそういう名称になったが、主には中産以下の産業者のためのもので、法的には副次的に生協にも適用になり、「購買組合」という名称で認可された。
1890年代になると「消費組合」という言葉を安部磯雄や石川三四郎など一部の識者が使い始め、運動の側が消費組合を名乗るようになった。例えば1921年に認可・発足した神戸購買組合は1924年に神戸消費組合と名称変更している。
2.「消費者運動」の日本における起源について
Wikipediaの概説のところでは、以下のようにあるが、明らかに間違いと思われる。
「日本では1945年に大阪の主婦らが粗悪品追放を掲げて「おしゃもじ運動」を起こした。これが日本における消費者運動の始まりともされる。1948年には主婦連合会(主婦連)が「不良マッチ運動」を起こした。」
以下、『現代日本生協運動史』などを踏まえて補筆。
1929年の世界恐慌以来の不況に東北地方の米の凶作が重なった1932年6月、東京の下町・三河島で失業者とその家族が町長と警察署長官舎に「米をよこせ」と押しかけ、政府米の払い下げを実現した。「米よこせ運動」は関東消費組合連盟・消費組合連盟傘下の消費組合が労働組合・農民組合などと一緒に取組み、各地で払い下げを獲得した。
その後も、1939年(昭和14年)の米の不作後に困窮した都市部の労働者その他消費者が食糧確保のために怠業する者も出て社会問題化したため、各地で関係行政団体と連絡協力する活動が現れたという一覧がある(日本生協連創立50周年記念事業で編纂された『現代日本生協運動史』の資料集にある史料「戦前の消費者団体連盟の活動」)。その後は戦時統制経済下に全ての社会運動が窒息させられた。
(3.戦後の「消費者運動」について 以下は下を開いてください)
冒頭の写真は1957年2月に歴史的な「消費者宣言」が採択された「全国消費者大会」(『消団連三十年の歩み』より)
3.戦後の「消費者運動」について
以下、『日本生協連50年史』を踏まえて補筆。
敗戦直後から、戦前の協同組合関係者は連絡を取り合い、活動を再開。食糧確保の難しい状況を乗り切ろうと、町内会、職場の単位で雨後の筍のように生協がつくられた。1945年に設立された日本協同組合同盟が制定運動に取組み、1948年に制定された「消費生活協同組合法」に基づき、生協の全国連として日本生協連が1951年に設立された。
日本生協連の副会長になった奥むめおは、戦前から婦人運動とともに消費組合運動に関わっており(関東消費組合連盟婦人部も設立)、日協同盟中央委員となり、1947年の婦人参政権が実現した選挙で国民協同党公認で参議院議員全国区で当選していた。台所の声を国政にということで1948年に主婦連をつくって会長にもなっていた。
朝鮮戦争(1950年6/25~1953年7/27休戦)後の政治経済の変化により、中小小売業者が反生協の気勢を上げ、中小業者のカルテルを認め生協を規制するような反消費者立法の動きを展開。日本生協連は主婦連、総評などとともに反対運動に取り組んだ。その共同行動の進展のもので消費者団体としての統一組織の必要性の認識が高まり、1956年12月、全国消費者団体連絡会(全国消団連、会長は中林日生協専務)が結成された。
全国消団連は1957年2月、全国消費者大会を開催し、22都道府県から800人の代表が参加し、反消費者立法への反対を決議し、奥むめお主婦連会長・中林日生協専務の起案による「消費者宣言」を採択した。「『資本主義は両刃の剣である。労働者として搾取され、消費者として搾取される』と私達の先達は叫びました」で始まるこの宣言は、カルテル行為強化などを反消費者の動きとして糾弾し「すべての物の価格と品質は消費者の意思を尊重して決定」すべきであるとして、「消費者大衆こそ主権者であることを高らかに宣言」した。
以上


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【2011/10/24 18:38】 | 情報
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T.Iさんより下記の情報をいただきました。感謝!
Mより
神戸大学附属図書館新聞記事文庫(http://www.lib.kobe-u.ac.jp/sinbun/)の検索によれば、明治時代から「消費者」、1920年代から「消費者運動」の言葉が掲載され始め、「消費者運動」の場合はロッチデールなど消費組合の紹介でのみ使われているようです(1922.4.22-1922.5.5掲載の連載「消費組合の現在と将来」というものの二回目が初出?)。
これは海外事情の紹介なので、日本でこの時期に消費者運動があったことを示すものではないですが、消費者運動が消費組合の関連で初めて紹介されたことは強調してもいいかもしれないなと思いました。

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2011年度下期よりJCCU協同組合塾の例会を再開し、第1回例会が10/3が開催されました(簡単記事はこちら)。2011年度は、来年(2012年)の「国連の国際協同組合年」のプレ企画として、協同組合について幅広く考えていきます。
続けて第2回企画が11/18に開催されますのでご案内させていただきます。

【JCCU協同組合塾2011年度第2回例会のご案内】
テーマ:「協同労働という働き方~労働者協同組合とは」
講 師:岡安 喜三郎 氏
協同総合研究所理事長、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会副理事長、生協東京高齢協副理事長。1948年生まれ。東大生協専務理事、全国大学生協連専務理事・同副会長、日本生協連理事、ICA(国際協同組合同盟)アジア太平洋地域生協委員会副議長等を経て2000年から協同労働運動へ。
日時:2011年11月18日(金)
第1部 18時~20時
第2部 20時~21時半 講師を囲んで交流会を行います。
(飲み物・つまみ付き)
会場:コーププラザ4F 第4会議室
参加費:無料
(但し、第2部交流会参加費の500円をお願いします)
<参加申込方法>
JCCU協同組合塾には、誰でも参加できます。ご存知の幹事メンバーにご連絡ください。
また、「こくちーず(告知's)」というシステムを使う参加申し込みの受け付けもしています。
下記のイベントページの申し込みフォームから、参加申し込み登録をお願いします。
JCCU協同組合塾「協同労働という働き方~労働者協同組合とは」イベントページ
念のため、URLは以下の通り。
http://kokucheese.com/event/index/19162/
以上

【2011/10/12 12:54】 | 企画予定
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<Kより発信>
JCCU協同組合塾2011年度第1回例会が10/3に開催されました。

【JCCU協同組合塾2011年度第1回例会の報告】
1.開催日時:2011年10月3日(月)18時~21時30分
2.参加者:計19名
3.講 演
 テーマ:「日本型生協の現在と未来」
 講師:杉本貴志氏(関西大学商学部教授)

4.講演内容
 杉本氏は、イギリスの生協の歴史を振り返る中で、日本が今後、とるべき未来に向けた政策方向について見解を述べられた。大変示唆に富む講演であった。講演後は、杉本講師を囲んで、感想交流会がもたれた。
 以下、杉本氏の講演のポイント。
●ロッデール公正開拓者組合が協同組合のはじまりと書かれているテキストが多いが、それは間違いである。ロバート・オウエンが協同村建設などの実験をし、その後オウエン派の人たちが、1820年から1830年代に、協同組合店舗設立運動を展開した。しかし、それらは1830年代末には壊滅した。こうした過去の失敗から学んで、1844年にロッチデールでは「ロッチデール原則」といわれる運営方法によって成功をおさめた。成功の要因は、特に、「市価販売と利用高割戻し」「現金販売」などである。
●イギリスの生協は、100年前の第1次大戦頃がピークで、世界最強の小売業を展開した。しかし、第2次大戦以降は長期低落へ向かう。戦後は、チェーンストアの台頭で競争にさらされた。生協は、様々な生協が同じ地域に重複していたこと、意思決定の遅れ、割り戻しが目当て(中産階級の貯蓄機関)化、などの理由で後退していった。
●こうした後退に歯止めをかけたのが、1990年代の企業不祥事続発から起きたコーポレート・ガバナンス議論であった。イギリスの生協は、社会的責任経営を事業の中身の改革まで徹底した。大型店競争からは撤退し地域密着型のコンビニエンス・ストアとポスト・オフィス店舗の展開に重点を移した。そして、消費者が購買行動によって社会的な責任を果たせるような商品の提供を進めた。コープで買いものをすることは倫理的であり、社会を変えるための一歩だ、という舞台を消費者に提供した。具体的には、フェアトレード、第三世界支援、動物愛護などの倫理的商品の展開であった。生協は「公正」な社会をつくるための「きっかけ」づくり提供した。こうした取り組みによって2000年以降、イギリスの生協は復活した。
●日本の生協は、員外利用規制という法律にしばられてきた反面、そのことよって、組合員主義の特徴を活かした共同購入方式を開発し、戦後大きく発展してきた。しかし、1990年以降伸び悩みが続いている。「安心・安全」を中心に展開しているが、生産者や誰かを犠牲にしていないか?事業連合時代となり大規模化し、組合員中心主義は保てるか?競争状況の中で、非正規雇用が増えているが、生協はどう対応すべきか。こうした社会的課題に対し、日本の生協はイギリスの改革から学ぶことができるのではないか。
以上

追記;当日の例会に参加されていた大友氏が、コラボ・コープOBブログに感想記事を掲載されましたので、ご紹介しますので、ぜひご参照ください。

【2011/10/05 23:24】 | 主催企画報告
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