「危機に立ち向かうヨーロッパの生協に学ぶ」70%縮小.jpg
<Mより発信>
引き続いて文献紹介とそれに関連する生協総合研究所の公開研究会のご紹介をさせていただく。
本書は、2009年11月の欧州生協視察団の成果を盛り込みながら、 事業が回復し始めたイギリス、新たな構造改革に取り組むイタリア、スウェーデンの国境を越えた事業連帯組織の形成への挑戦など、ヨーロッパの生協における構造改革の最新動向を日本生協連国際部と生協総合研究所のスタッフがまとめ、巻末には豊富な資料を収載した一冊とのことです。
【『危機に立ち向かうヨーロッパの生協に学ぶ』のご紹介】
生協総合研究所 編著 栗本昭 監修
2010年11月2日発行 A5版301頁
定価(本体1,800円+税)
発行:コープ出版 
【主な目次】
序 論 危機に立ち向かうヨーロッパの生協に学ぶ 芳賀唯史
第1章 イギリスの生協事業の回復 天野晴元
第2章 イタリアの生協の新たな構造改革 大津荘一
第3章 ミグロ生協の事業革新による挑戦 アイザック・ヤウ・アスィードゥ
第4章 スウェーデン生協連の事業経営改革の取り組み 藤井晴夫
資 料 欧州3生協の主要経営指標と財務の分析(イギリス・スウェーデン・スイス)/CGの2009年度年次報告/イタリア生協の価値憲章(2009年度版)/ミグロ生協連の2009年度年次報告/KF2009年年次報告書/スコットランド・フィンランド・スウェーデン・スイスの協同組合センターの比較分析
コープ出版のサイトの情報はこちら
★マーク以下に詳しい目次や試し読みのリンクもあります。

【関連の公開研究会のご紹介】
2011年1/28開催:(公益財)生協総合研究所公開研究会「危機に立ち向かうヨーロッパの生協に学ぶ」
ヨーロッパでは流通業界におけるグローバルな競争が激化しており,金融・経済危機の進行とともにこの傾向に拍車がかかっています。ヨーロッパの生協も激しい価格競争に巻き込まれ、組織と事業の構造改革に取り組みつつ、未来開発のための挑戦を行っています。昨年度に引き続き,各国の事例から日本の生協として学ぶべき教訓を引き出していきます。
日時:2011年1月28日(金)17:15~19:15
会場:コーププラザ4F第1・第2会議室(渋谷)
報告者:
①藤井晴夫(生協総研)イギリスとスイスの生協の事業革新と社会的取り組み
②天野晴元氏(日本生協連)フィンランド,スウェーデン,デンマークの生協の事業革新と模索
③大津荘一(生協総研)イタリアの生協の事業革新と社会的取り組み
詳細はこちら

【2010/12/21 18:30】 | 文献紹介
トラックバック(0) |
「協同組合のアイデンティティに関するICA声明を考える」CD付75%縮小.jpg
<Mより発信>
「21世紀の新協同組合原則」については、今年度の第1回例会で勉強する機会をもった。講師の栗本昭氏の著書もこのブログで紹介済みである。
コープ出版『21世紀の新協同組合原則』の紹介記事(*)
日本生協連では「2020年ビジョン」の策定作業をすすめている。そのためのサイトも設けているのでまずはそちらをご紹介。
「2020生協ビジョンサイト」はこちら
そして、その前提となっているのが「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」と「21世紀の新協同組合原則」であり、その学習をさらに深めるテキストが日本生協連出版部で発行されたのでご紹介したい。レイドロー報告以下の歴史的な3報告がCD-ROMに入っているので活用できると評判である。
しかしながら、こちらを学習する前提として「協同組合原則」自体の成り立ちや改定の歴史を踏まえる必要があり、そのためには栗本昭編著『21世紀の新協同組合原則<新訳版>』を先にきちんと読んでおくことを重ねておすすめしたい。
 
【『「21世紀の新協同組合原則」学習テキスト版(CD付)』のご紹介】
コープ出版のサイトの情報はこちら
以下は、チラシからの情報。
本書は、「2020年ピジョン策定検討委員会」がビジョンを考える「前提」とした「協同組合のアイデンティティに関するICA声明」を学び直す学習テキストとして作成しました。
また、「ICA声明」起草にあたって重要な役割を果たした3大報告(レイドロー報告・マルコス報告・べーク報告)を収載したCD-ROMを資料として添付しました。
【レイドロー報告】
1980年、モスクワで開催されたICA大会に「西暦2000年における協同組合」という報告が提出されます。報告の内容は、現代を「狂気じみた方向に進んでいる」時代、すなわち「狂気の時代」と特徴づけ、その中で「協同組合こそが正気の島」でなければならないにもかからわず、協同組合は「真の性格と目的」が曖昧化という「思想上の危機」に直面し、そのため運動の停滞が生じていると警告を発しています。
【マルコス報告】
レイドロー報告後も、欧米における生協の沈滞と後退は一層深刻化していきます。「思想上の危機」を乗り越え、協同組合の理念と「基本的価値」を再確認し、運動の再生をはかるために、1988年ICA大会では、マルコス会長自身が「協同組合の基本的価値」という報告を行い、「参加」、「民主主義」、「誠実」、「他人への配慮」を提起し、危機に対する処方箋として組合員に立ち戻れとのメッセージを出しました。そのきっかけは、マルコス会長自身が日本で開催された合同会議での班活動を通じた組合員参加に強い印象を受け、組合員参加の問題が協同組合運動にとって非常に重要であることを認識したためです。
【べーク報告】
1992年ICA東京大会でスウェーデン協同組合研究所の所長ベーク氏が行った「変化する世界における協同組合の価値」と題する報告は、グローバルな基本的価値として「組合員のニーズに応える経済活動」、「参加型民主主義」、「人々の能力の発揚」、「社会的責任・環境に関する責任」、「国内的・国際的協力」の5つを提起しました。この報告を基礎に1995年ICA100周年記念マンチェスター大会で採択されたのが「ICA声明」です。

*コープ出版は日本生協連の子会社であるが、2009年度よりあらためて日本生協連の出版部として活動していくことになり、発行元が日本生協連出版部、発行所がコープ出版という形での出版になっていくようである。

【2010/12/20 12:21】 | 文献紹介
トラックバック(0) |
<Kより発信>
このところ忙しく、遅くなりましたが簡単にまとめた報告をアップします。改めて、録画等を見て、詳細報告書は、作成する予定です。
【JCCU協同組合塾2010年度第4回例会の簡単報告】
テーマ「賀川豊彦と欧州連合」
■日 時:2010年11月18日 18時~21時30分
■場 所:コーププラザ4階第3会議室
■参加者:16名
■内 容:
 JCCU協同組合塾第4回例会の講師は、ジャーナリスト(共同通信社)であり、国際平和協会(賀川豊彦が初代理事長を務めた財団)の会長の伴武澄氏で、「賀川豊彦と欧州連合」というテーマで講演をいただいた。講演の骨子は以下のとおり。
 1935年12月、賀川豊彦はアメリカのロチェスター大学に招かれ「Brotherhood Economics」と題して講演した。講演内容はただちにニューヨークで出版され、さらに25カ国で翻訳され出版された。また、1936年8月には、カルヴァンの宗教革命400年の記念行事に招待され、ジュネーブのサン・ピエール教会とジュネーブ大学で講演した。その際にも、Brotherhood Economicsを言及した。このほかにも、賀川の貧しい地域に身を投じた活動や労働運動・農民運動・協同組合運動は、へレン・タッピング女史(賀川の秘書役)により、世界に発信されていた。こうしたことから、賀川の思想は欧米の人々に大きな影響与えていた。欧米の人々は、1930年代を「カガワ、ガンジー、シュバイツアー」の時代と呼んだ。
 ヨーロッパでは、第1次、第2次世界大戦の反省から、1950年にシューマンらにより欧州共同体が創設された。そして、欧州連合(EU)へと発展していった。この共同の理念に賀川のBrotherhood Economicsの精神が生かされているといわれる。
 1978年に欧州議会のコロンボ議長が、日本国会の招待により来日し、メッセージを残している。メッセージの中で以下のことを発言している。
「世界のすべての国に民主的つながりがなければ、永続的平和はない。平和への意思がなければ人類の未来はない。共同体を求める精神が世界に広がってこそ、人類はどこでも意見の一致を、またその可能性が生まれる。競争的経済は、それが国際経済の協調と協力という英知を伴ってこそ、賀川豊彦の唱えた『友愛の経済』への方向に進むことができるのである。そのためには、自分だけの利益を図るだけでなく、すべての人びと、とくに恵まれない人びとの利益を図るよう、民主的な考慮をするべきである。経済成長率をより高めるためには、文化的、精神的価値の探求が必要である。というのは、それなしでは平和もなければ自由もなく、正義も、永続的な真の幸福もないからである。」
このメッセージの内容は、賀川の思想そのものである。賀川の思想がいかに欧米の人々に大きな影響を及ぼし、欧州連合の理念に反映されているかがわかる。
講演では、さらに賀川が『Brotherhood Economics』で伝えたかったことの解説がされた。その後、質疑に移り第1部を終了した。第2部交流会では、講師を囲み参加者の感想や近況などを交流した。
JCCU協同組合塾に毎回参加されている千葉大学の伊丹氏は、2010年度生協総研賞・助成事業の個人研究分野に応募され、テーマ「協同組合運動協働者のオーラルヒストリー収集による賀川豊彦像の再検討―戦後日本の協同組合運動史における賀川豊彦の影響と現代的可能性」が助成対象者として選ばれたと報告された。とても意義ある研究テーマに大きな拍手が送られた。
以上

【2010/12/09 13:00】 | 主催企画報告
トラックバック(0) |
『Think Kagawa ともに生きる』表紙
<Mより発信>
最近こちらの情報アップが滞っていて恐縮。11/18の定例会でもおすすめした標記の本をこちらでもご紹介する。
編集の中心になられた伴武澄氏のお話によると、賀川豊彦献身100年記念事業実行委員会の1年間の取り組みをまとめるにあたり、こういう取り組みの組織内部配布用のまとめ報告書にしてしまうのは勿体無いということで、世の中一般の方にも読んでもらえるように家の光協会の協力もいただいてソフトカバーの単行本として発行することができたということだ。
私もさっそく手にとって、第5章の座雑談会「記念事業を終えて」のところから読み始めた。お馴染みの皆さんが顔写真つきで登場しているので親しみやすく、1年間の取り組みの概要のイメージをつかむことができた。その後で、面白そうな講演録から読んでいる。プラティープさんのおつれあいである秦さんの本も昔に読んだことがあるので、その後の活動もわかって嬉しかった。さらに、格差社会の進行や相容れない価値観の人間や集団(国を含む)の対立、人間や社会への不信感の万円が世界に広がっていることへのキーワードは「寛容」だろうと思いつめてきている私にはぴったりの内容のものもあった。
「協同組合」や「共生」ということを学び考え実践したい人にはおすすめの本である。
ネット検索してみると、出版社のところの情報が賀川豊彦記念松沢資料館だけになっているものもある。そこから拾って、目次は加筆してご紹介する。

【『Think Kagawaともに生きる―賀川豊彦献身100年記念事業の軌跡』のご紹介】
賀川豊彦献身100年記念事業実行委員会 (編集)
(賀川豊彦記念・松沢資料館/家の光協会・1575円)
販売価格 1575円(1500 円+税) 1,575円
発行年月:2010年11月
版型/ページ数:A5判 288ページ/22cm
ISBN-10: 4259583131
ISBN-13: 978-4259583132
本の内容
1930年代のアメリカで『THREE TRUMPRTS SOUND』(*)という本が出版されました。三つのトランペットはマハトマ・ガンジー、シュヴァイツアーと賀川豊彦です。この3人が世界の曲がり角でトランペットを吹いて私たちに新しい社会の指標を与えたという内容です。賀川は、私たちの暮らしを支える根幹を築くことに尽力し、その生涯を捧げたのです。(*TRUMPETSの誤字のようにも思うが楽器名表記としては両方あるので元のままとする。)
目次
はじめに 今井鎮雄
第1章 グランド・デザイナー
震災とコミュニティー 阿部志郎
寛容の再生のために 最上敏樹
よみがえる巨人 野尻武敏
平和の枢軸というコペ転 伴 武澄
友愛政治の理念と可能性 小林正弥
第2章 豊彦を支えたもの
愛妻 ハルの幸い、社会の幸い 三原容子
宗教 賀川豊彦とは何者ぞ 山折哲雄
自然 海と自然と賀川豊彦 濱田 陽
豊島 ウェスレー館のいま・むかし 池本正人
仲間 武内勝と吉田源治郎 鳥飼慶陽
文学 『空中征服』の系譜 義根益美
第3章 続けられる実践
グラミン銀行とソーシャルビジネス ムハマド・ユヌス
クロントイの1日1バーツ学校 プラティープ・ウンソンタム・秦
新潟、そしてアフガンとスーダン 木山啓子
ソウルに息づく賀川イズム 広報編集部
たのしかった献身100年 西 義人
第4章 賀川豊彦献身100年記念事業 新聞とブログが支えた1年
第5章 座雑談会「記念事業を終えて」
おわりに
巻末資料
 賀川豊彦関連著作の復刻・刊行
 シンポジウムと講演会、上映会とパネル展
 パワースポット 年表 賀川豊彦献身100年記念事業実行委員会
以上

【2010/12/06 13:00】 | 文献紹介
トラックバック(0) |