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上は中野邦夫氏。下は小澤理恵子氏。
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<Mより発信>
 2014年3月に日本生協連のコーププラザ(渋谷本部)の1階ロビーに「コープ商品ミュージアム」が開設されて3年が経過し、開設当時の担当者の多くが異動や定年退職し、語り部養成の必要で企画された連続学習会がより参加しやすい企画として「CO・OP商品の歴史を語り継ぐ講座」として月曜日の15時~17時で開講が決定。前半の2回は役職員OB・OGを講師にお願いした企画で1/30、2/6で開催され、いずれにも参加してきました。企画段階から協力し、史資料を提供講演の内容は以下、概要。
 第1回:①中野邦夫氏からは戦前からの生協の歴史の中でコープ商品の前史、1960年の連合会CO・OP商品第1号誕生から1970年代の管理価格と有害食品に対抗してきた歴史、②小澤理恵子氏からは組合員の商品活動の歴史の中からコープ商品に組合員の声を反映するしくみづくり。第2回:①日和佐信子氏からはCO・OP商品と食の安全の社会的な仕組みを生み出した組合員活動、②石飛豊氏からは1990年代にメインとなった価格重視の品揃えと別にサブブランドとして配置されたコンセプト開発の経験について。
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上は日和佐信子氏。下は石飛豊氏。
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 いずれも聞き応えがあり、定員40人の会議室は部署も年代も多様な参加者メンバーの熱気で包まれて、企画段階から資料室として協力してきた甲斐がありました。第2回終了後、第1回の講師の方にもおいでいただいての交流会を開催。参加者からの質問、講師の方からの質問もありのやりとりタイムも設けて諸先輩の経験と想いを継承し、若い世代を激励する充実した時間となりました。
後半の3/6と3/13は現役のメンバーの講師による企画が続きます。そちらの企画にも史資料を提供していくつもりです。
(参考情報のリンク)
2014年12/19「コープ商品の歴史とこれからを考える」(講師:中野邦夫氏)の簡単報告→こちら

2013年11/14の報告」(講師:小澤理恵子氏):概要編→
こちら

【2017/02/11 23:59】 | 情報
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200203『コープこうべの理念を考える』表紙縮小
<Mより発信>
 『コープこうべ創立80周年 コープこうべの理念を考える』(2002年3月発行)という資料の貴重さを見直した。年末の資料室の作業の中で書架にあった標記の冊子が目に留まり4人の方々のお名前をみてパネルディスカッションの記録とばかり思い込んでいた認識をあらためた。コープこうべ創立80周年記念事業の一つとして企画されたもので、4人の執筆者による分担執筆で構成されたものだった。ネット検索してみたが、そのようなイメージがわかるような情報は残念ながらすぐ出てこず、「国立国会図書館サーチ」では、「タイトル:コープこうべの理念を考える:コープこうべ創立80周年」「著者:高村勣 [ほか]著」「著者:コープこうべ・生協研究機構 編」と登録され、国立国会図書館蔵書として東京本館書庫にあるだけだった。( 「国立国会図書館サーチ」の情報はこちら

 その年に新理事長になられた野尻武敏氏が企画意図を「はじめに」で述べている。「第1章では創業の理念として賀川豊彦の志に思いをはせ、第2章でその創業の再認識が今なぜ必要なのかを問います。次いで第3章では、そうした生協理念が生かされるには、商品・サービスの供給事業はどうなくてはならないかに光をあて、第4章では、ことに役職員が基本の理念を日々の活動に体現してゆくにはどんな心掛けが肝要かを具体的に尋ねます。」
 そして、4人が4人ともそれぞれの視点で賀川豊彦に言及しているのが興味深い。

第1章 創業の理念:高村勣(コープこうべ名誉理事長顧問) 高村氏は、神戸と灘の「両生協とも本部を戦火で焼かれて創業以来の資料をすべて失っており、また1995年の阪神・淡路大震災でJR住吉駅前の本部が全壊し、ここでも戦後の生協史を語る貴重な資料が瓦礫と化した」こと、「コープこうべ70年史『愛と協同の志』は、創業時の記録を最大限集約した貴重な文献として伝えられていくであろう」こと、「(創立70年の)年に協同学苑ができ、そこに建てられた史料館では(中略)生協創業の理念の発信基地としての役割を果たしている」こと、「機関紙の縮刷版は現在12巻あり、この生協の歴史を知る上で極めて貴重なものである収録されているのは大正12年1月号から・・・」という言及もされている。
 日本生協連資料室にはその縮刷版が全てあるし、40年史、50年史、60年史、70年史と揃っていて、ある程度のところはこちらでわかることを再認識できたし、史資料をもとに生協理念の発信基地となるべきだということも確信をもつことができた。そして賀川豊彦の協同組合思想、その伝承について「協同組合の基本的価値論議」の中にも反映していることも含めてまとまった文章を書かれている。
第2章 今なぜ創業の理念なのか:野尻武敏(コープこうべ理事長) 野尻氏は「生協を取り巻く環境が厳しくなればなるほど贅肉をそいで事業の効率化を徹底していかねばならず、同時にそれだけ志はこれを高揚していかねばならない。どちらが欠けても生協は消えていくことになるだろう」、さらに第二次大戦後の西ドイツの復興の指導者エアハルトの言葉を踏まえて「誇りを失えば全て終わり」とし、「個人としても組織としても、できるだけしばしば生協の理念に立ち返ってみる『心のマッサージ』が欠かせない」と書く。
第3章 商品・サービスにおける「生協らしさ」とは:櫻井啓吉(コープこうべ理事) 櫻井氏は通商産業技官を経て兵庫県立生活科学研究所所長などを歴任しコープこうべの有識理事(※)となられている。「組合員ニーズと生協理念」の項では、「組合員の声が生協理念に沿わない場合は、それを拒絶する勇気も求められる。もし、組合員の声を無条件に受け入れるということになれば、生協としてのアイデンティティが維持できなくなる場合もあるからである」と言及し、「生協の商品政策は、組合員の声を優先しつつ、生協理念とのバランスをいかにとるかが今後を左右することになる」としている。
 「生協らしさ」の核心の項では「企業においても顧客満足、信頼づくりを志向しているが、企業と違う点は、生協がそのことに止まらず、よりエシカル(倫理的)である、ということ」とされている。最近になって「エシカル消費」とか「エシカルビジネス」がCSR(企業の社会的責任)に続く流行のようになっているが、生協の商品事業が組合員学習教育活動があることで、社会的なテーマ性のあるコープ商品を開発し普及してきたこと自体を「エシカル」と、十数年前に表現していたことに驚かされる。
第4章 理念の日常化:小倉修悟(コープこうべ組合長理事) 「理念の日常化こそが生協運動」、「理念の日常化は愚直なまでに基本を徹底すること」、「『コープ商品づくり』は生協運動の大黒柱で『活動と事業の一体化』の歴史そのもの」として組合員活動との関係を書いている。「生協運動」という言葉の使われ方を、今一度踏まえるべきだと思われた。

※櫻井啓吉さんは、その後、コープこうべの理事長を務められたとのこと。

【2017/01/08 23:23】 | 文献紹介
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<Mより発信>
12/12(月)16時から生協総研の共済研究会「賀川豊彦の協同組合保険の思想と実践に学ぶ」@松沢資料館に参加してきた。講師の和田武広さん(元JA共済職員、賀川フォーラム会員)から、今回初めて賀川豊彦が「JA共済の父」と呼ばれる由来をまとまってお聞きすることができた。さらにこれまで農協についてはまともな協同組合なのだろうかという偏見をもってしまっていたが、もっときちんと勉強する必要を痛感した。
 このところ「資料室土曜講座」にも参加して、戦前の協同組合がどのように戦時体制に組み込まれていったかをさらい直す機会があり、産業組合の農村組織は戦時下に統制組織として「農業会」に再編されてしまっていたことがわかってはいた。それが戦後にも大きく影響しているようだ。戦後、農協は「伝統的・自主的な協同組合」と「行政補助機関」という2つの側面を持って設立されていて、後者は「農業会」時代を大きく引きずっている。そういう歴史が農協共済にも影響していた。前者の側面による運動の大きな成果の一つが協同組合保険=共済事業ではないかという視点での展開で、その中で賀川豊彦の思想が論じられた。充実したテキストもいただいたのでじっくり読み込んでみたい。
 今回は礼拝堂を会場にしたために、パワポのスクリーンの上にステンドグラスのキリストが子どもの頭をなでているところも写っている。パワポの最後の画像に賀川の写真もあったが、「おわりにあたって」の文章が以下。(薄井清『一粒の麦は死すとも-賀川豊彦-』P282~283からの引用)
 「いま読み返して思うのは、農業協同組合は戦後にマッカーサーからあたえられたものではなくて、賀川豊彦を含めた産業組合運動家たちが、血みどろの戦いの末に勝ちとった組織である、という感慨である。いま、・・農協は、一つの岐路に立たされている。・・」
 終了後のディスカッションの中で、戦前の反産業組合運動は国内の商業者による攻撃だったが、現在はTPPなどグローバル化の中での闘いであり、相手の土俵で戦うべきではなく、協同組合理念を踏まえたものにしなければならない。戦後の農協は組合員をお客さん扱いしてきてしまった反省に立つべきという話が出た。それを聞いて、生協陣営も他山の石としなければならないようになっているし、それにブレーキをかけて「生協の理念」に基づいて事業と活動の再構築をしていかなければならないと思えた。

【2016/12/14 23:55】 | 情報
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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、こちらでもご紹介させていただきました。12/3の第4回に参加してきましたので、以下、概要をご報告します。

テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」
※当日資料のファイル名は「消費組合による女性運動の光と影」、資料のタイトルは「消費組合による女性運動の活性化」でした。
講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
  同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
  元生協総研嘱託研究員


講義内容の概要

今回は、主に1920~1940年代にかけての生協運動を、特に女性たちの活動に注目して進めていく。暗いイメージがもたれているこの時代は、実は消費組合が活発化し、女性運動も盛んになった時代でもある。
1919年に第一次世界大戦後、名目GDPと実質GDPの差に注目すると、この差が大きいということは貨幣価値が大きく変動した=物価の大幅な上昇があったということで、自給自足ができず、給料が一定に決まっている俸給生活者にとっては大きな打撃で、生活必需品をなるべく安く共同で購入したいということで消費組合が全国的にも数多く設立された。東京市などでは行政の政策としても消費組合設立が進められた。この時期の消費組合は、都市の給料生活者と安定した雇用の労働者(重化学工業の労働者、交通関係の労働者)によって結成された組織。
1924(大正13)年の神戸消費組合をはじめとして全国の消費組合に家庭会・婦人会が設立されていく。本発表は、消費組合の家庭会・婦人会によって、日本の女性運動は活性化したということを挙証するものである。女性運動というと、市川房枝らの婦人参政権獲得運動が名高いが、彼女たちの活動は同じ女性からの批判も多く、当時の多くの女性たちには共感を得られていなかった。

(1) 生協に女性の組合員が増えていき、積極的に関わるようになった
もともとは生協組合員は男性がほとんどで当時の資料でも男性名が多かった。ところが、1920年代後半から女性名の加入者が増えた。社会構造の変化により女工中心だった工場労働者も男性が増え(事務局注:軽工業から重工業へ)、サラリーマン層も厚みができて、その妻である専業主婦が増えたことによる。これらの層は社会の10%以下で、その中で消費組合が設立されている。
当時の専業主婦は高学歴で夫の給料だけで生活でき、新しい家庭を築こうという気運があり、消費組合に積極的に関わるようになった。消費組合側も女性たちを活動の鍵とみて、家庭会や婦人会を設立して組織した。
「神戸消費組合家庭会案内」、「家庭購買組合婦人会」、「西郊協働社家庭会」の史料を用いての説明が続いた。特に家庭購買組合は、東京の山の手のエリアで展開されていて、富裕層向けに宅地開発されたエリア「大和村」の村事務所を通じて組合加入のお願いの手紙を出すよりも、婦人会ができてから女学校時代の友人や知り合いに組合員勧誘をする活動が力を発揮した様子もわかった。そして、その方法は系統を超えて全国の生協に普及されていった。

(2)家庭会や婦人会はどのような活動をおこなっていたのか
●関東消費組合連盟(関消連)は、1927(昭和2)年に奥むめおの尽力で婦人部確立を決議。関消連が目指したのは婦人部によるストライキだったが、現場からは「先づ消費者としての婦人は、何に一番困つているか、何に不自由しているか、其の要求から仕事は初まり『階級意識』とか『組合意識』にうつたへてばかりではわざわざ子供を引つぱつて寄合に何度も何度も出られるものではない」という実態が報告されている。
●基本的には楽しいことが中心で、講演会や講習会も難しくなく、とにかく人が集まる企画・・・神戸消費組合家庭会、家庭購買組合婦人会の団らんの夕べ、西郊共働社のバザーやピクニック
●料理講習会は多く人気だった。当時の消費組合には農村から出てきた人々も多かった(地方から男性が進学で出てきて奥さんがついてきた)。女学校の家政科の授業は洋食のマナーなど生活にすぐに役立たず、農村での食事は「芋の季節になれば芋ばかり、大根の季節になれば大根ばかり」というように季節の野菜を選んで買い物をし、献立を作って食事の用意をするという概念がなかった。農村では一族重視の価値観だったが、都市部のサラリーマンは核家族が多く、家族を重視して教育熱心になった。家族のために栄養バランスのよい料理講習、生花や洋裁等の講習、子どもの家庭教育に役立つ知識の講座などの企画が多かった。
●楽しいことの中に消費経済の講座もあった・・・神戸消費組合家庭会の「一般経済学」「家庭経済講演会」、家庭購買組合の本位田教授の講演を聞く、西郊共働社の消費組合研究会など
●消費組合の経営にもメリットがあった・・・たとえば、西郊共働社の場合は作家などの文化人を多く組織していて、1930年くらいの「円本ブーム」が落ち着いてしまうと作家は貧窮していった。1家庭あたりの購買額減少を、組合員数の増加で補っていたが、家庭会の行事には組合員家庭ではなくても参加可能なため、新規の組合員獲得の場となっていた。
●地域にある組織としては、町内会は大正末から結成されていたものの男性しか出席できない世界だったし、学校も父兄会だった。公民館などもない中で、生協の家庭会・婦人会は女性が地域で活動できる場として大きな役割を果たしていた。

※事務局注:今回も当時の史資料のミニ展示を行なった。冒頭の写真は家庭購買組合の組合員啓蒙誌『ホームユニオン』。木村正枝さんの『消費組合小史』では「生産経済」と「消費経済」を対比させて「消費経済」の研究が日本では不十分で、「消費経済の知識が身につく人生」をというようなことが、冒頭の「本書をまとめるにあたって」に書かれていた。『ホームユニオン』でもそのあたりを大学の先生に書いていただいている論稿がけっこうある。

(3)消費組合の家庭会や婦人会の他の女性運動との関わり
 満州事変が勃発した1931年頃、女性運動に転機があった。国会請願を続けていた婦人参政権運動がこの時期を境に低迷し、消費者運動など生活の中から政治活動へつなげていく地道な活動へシフトした。一方で、出征する兵隊を見送りしたいという大阪の1人のおかみさん(夫は企業家)の活動が「国防婦人会」として台頭し、陸軍の援助を受けて日本全国に広まっていった。
●市川房枝記念会に、「日本消費組合婦人協会」設立時の招待状に残っている。1932(昭和7)~36年、東京日本橋の魚市場を築地に移転し中央卸売市場として整備する際に商工省が卸売り会社を1社に統合しようとすることへの反対運動に東京の3つの家庭会・婦人部が市川房枝らの婦選獲得同盟とともに参加するなどの接点があった。
●1936年(昭和11年)、全国の家庭会・婦人部の提携を目指して「日本消費組合婦人協会」(日消婦協)が設立された。当初は協同組合運動の発展と消費組合によって「世界平和と人類の理想社会を実現」することを目的にしていたが、協会設立の翌年に始まった日中戦争の泥沼化に伴い、「東亜の平和」「国力を伸張」を目指すように変わっていった。
●1937年、市川房枝らが中心になって婦選獲得同盟、YWCA、婦人矯風会、『婦人之友』の友の会など、婦選運動に参加していた自主的な女性団体により「日本婦人団体連盟」が結成され、のちに「日本消費組合婦人協会」も参加を求められた。任意加入の団体としては14団体、概算で5万人を組織した協会は日本で最大だった。ただし、市川らとともに活動することはあまりなかった模様。
※事務局注記:ネット検索したところ、「日本婦人団体連盟」の構成団体に日消婦協が入っていない。設立後に出入りがあった可能性がある。連続学習会「いま《山川菊栄》を読む」④ 戦時下の山川菊栄 という情報。
「一九三七年九月二八日に、市川さんなどが中心になって、自主的な女性団体八団体が集まって作りました。婦選獲得同盟、YWCA、婦人矯風会、『婦人之友』の友の会、それから小学校、中学校の女教員会といったところです。」 

(4) 1937年以降の日中戦争戦時下で、国家政策に賛同し、推進する役割を果したのはなぜか
協会の中心的な団体だった家庭購買組合婦人会の活動を『ホームユニオン』などでみると、切り詰めた食材で栄養バランスのとれた食生活をとか、消費を節約して貯蓄強化をしようとか、出征軍人の家族を慰問しようとか、後世には時代の変化によって戦争協力活動に変質していったと言われるが、ご本人たちは元々の消費者運動の延長線上でとらえていたのではないかと思っている。

まとめ
●戦前の生協が当時の時代状況の中で主婦を組織した意義はあった。社会運動に関心のなかった女性たち(特に専業主婦)を消費者運動へ巻き込んだ功績は大きい 。確かに、消費組合が“認める”女性運動の範疇は狭く、その活動には限界があったが、それは戦後の高度経済成長で「一億総中流」の時代に増加したサラリーマン層の間で生協が発展していったことにつながっている。

参加者は講師を含めて17名で、日生協職員6名(OB含む)、医療福祉生協連1名、会員生協2名(OB含む)、地域生活研究所1名、参加型システム研究所1名、吉野作造記念館研究員1名、賀川豊彦松沢フォーラム1名、研究者3名、主婦連・主婦会館1名。
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ディスカッションの内容については以下に畳まれているので、開いてお読みください。
ディスカッションの論点
●家庭購買組合婦人会の団らんの夕べは、日比谷野外音楽堂で開催され、歌手や楽団を招く企画もあって会場を埋め尽くす1万人を越える参加者があったという。そういう取り組みができていた。
●戦前の組合員活動メニューの一覧を見たら現在と変わらないなぁと思った。他に主婦たちが学べる場はなかったのか?→月刊『婦人之友』の友の会は件今後の女性を集めて学びあいの活動を続けていたが、公民館などもなく、自分の家に招くなどで場所を確保することも難しかったので生協の婦人組織の活動は貴重だった。
※事務局注記:戦後、灘生協ではそのエリアの友の会のリーダーだった永谷晴子に家庭会の再建への協力を依頼した。永谷はその後、日本生協連の婦人理事にもなっている。
●日消婦協ができる前から生協の女性活動の交流はあった。日消婦協の結成総会の会長選出にあたり、家庭購買組合婦人会会長の押川美香が共産党勢力排除を主張して大もめにもめて委員長になり、関消連系生協と2つに分かれてしまったが、それでもは一度はみんな集まったことに意義がある。一方で地方では、東京で系統ごとに激しく対立したような先鋭的な対立はなかった。また、男性の経営トップどうしは表立って対立はせず、つかず離れずだったことと対照的。
●日消婦協は国防婦人会と同様に戦争協力への先兵の役割を果たしたのではないかという問題提起があった。それに対して、1929年の世界恐慌後、30年には大正デモクラシーの運動が雪崩をうって崩壊し、国内での分配問題を社会改革ではなく満蒙など海外進出に求める世論が無産政党も含めて圧倒的になり、生協の婦人組織を戦争協力の先兵と評価することはできないという反論もあった。1937年に日中戦争が始まり、1938年に関消連が解散、日消連も活動休止。城西消費組合は1941年までもちこたえた。1938年に関消連が解散するにあたって戦争協力的な声明を出したが、連合会は解散しても残った単位生協に障りが出ないように配慮してのことだった。そのような時代だったので先兵とまでは言えないという反論も。
●戦前から生協の経営は男性が牛耳っていて、女性はあたりさわりのない所で活動していたという印象がある。生協の女性の活動は家庭の中での女性の地位を変えることもできない運動ということで評価がしかねているが、講師はどのように考えるか?→今後の検討課題だと思っている。
等々、時間も延長となって熱い論議が続いた。以下は講師の尾崎さんのご講演の様子の写真。
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【2016/12/13 12:39】 | 情報
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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、こちらでもご紹介させていただきました。11/26の第3回に参加してきましたので、以下、概要をご報告します。冒頭の写真は講演する大川真さん。

テーマ:「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」
※パワーポイント資料のタイトルは「賀川豊彦と吉野作造に学ぶ~貧困と戦争から世界を救うために~」でした。
講師:大川真/吉野作造記念館館長、
   国際日本文化研究センター共同研究員、
   尚絅学院大学非常勤講師、
   山形県立米沢女子短期大学非常勤講師


講義内容の概要
 古川市(合併後は大崎市)が公設で作った吉野作造記念館が2002年に民間委託となり、NPO法人「古川学人」(吉野作造の筆名が由来)が受託運営、2006年からの指定管理後も受託運営している。「古川学人」は吉野作造記念館の指定管理事業とともに、NPO事業として被災地支援や東アジア交流事業等多彩な事業を展開。
 大川さんは、まさに3.11で震災復興に関わりたいと東北大学の職を辞したということで、吉野作造記念館の副館長、館長をしながら、復興やまちづくり関連の事業開催のボランティア活動など多忙に過ごされている。自分としては賀川豊彦を先に知り、その後、吉野作造と関わることになった。時代は今、貧困の問題、平和の問題が切実になってきている。吉野さんや賀川さんを知れば生きる勇気が湧いてくるとのこと。
 日本を代表する政治学者であり「参加型民主主義の父」と言われる吉野作造のベースになっているのはフランス のレオン=ブルジョアが提唱した「社会連帯説」。国家は団体生活であり、参政権は団体生活の責任を個人が分担することとした。参政権は個々人が国家責任を分担するということに新しい根拠を見出しており、シティズンシップからの視点である。

Ⅰ.反貧困における両者の共闘:
 吉野は家庭購買組合が設立された1919年から亡くなる1933年まで理事長職をつとめていた(質疑で出た→強い中間集団作りでリーダー層の関係資本形成を重視)。吉野日記の記述からは賀川と計10回会っているが、元々友愛会で知ってはいたようで、関東大震災で賀川が拠点を東京に移してから協力する関係になっている。
 長男であり吉野作造没後に父の論集を編集した俊造氏の解説によると吉野のデモクラシーは純政治的要求と社会的要求の二面があるという。階級闘争による社会改革から生存権の保証へシフトしていくが、反貧困の思想家でもある吉野は日本における生存権提唱者だった。
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Ⅱ.平和をめぐる両者の共闘:
 1931年の満州事変が勃発後、軍部が自衛権の発動として説明していることを吉野は批判。侵略行動と書いた所は出版の際に伏字にされている。
 吉野作造記念館で現在開催している企画展「自由を愛し平和を貫く-吉野と安中教会」(~12/28)を準備する中で牧師の柏木義円へのハガキが見つかった。1931年10/20付の『上毛教界月報』第396号で日本は満蒙から引き揚げよと書かれたことに賛同する内容。吉野は1933年に亡くなり、その年に日本は国際連盟を脱退した。その後、マスコミだけでなく無産政党まで日本の貧困問題の解決のために満蒙をと主張していった。賀川やキリスト教団も開拓民を送り出した。
 まさに全体主義化を進めるのはマスコミと野党が批判しないことであるのは歴史の教訓。賀川は戦後に反省して平和運動に取り組んだ。今現在、希望を失うのは早計。先人の叡智を伝えて言葉の力によって私たちの連帯を築いていきましょう。

 参加者は講師を含めて17名で、日生協・コープ共済連職員5名、医療福祉生協連1名、生協総研1名、会員生協2名、地域生活研究所1名、賀川記念松沢資料館1名、研究者3名、主婦連・主婦会館2名。 
 
 ディスカッションでは、丸山眞男の「永久革命としての民主主義」的な議論や、自己規制の圧力が強まる実感がある中、生協、連合=労組でも「いのちを守る」課題として貧困問題の解決や平和をどう作るか話していくべきと話しあった。

吉野作造記念館の2016年度前期企画展「暮らしの向上を求めて~デモクラシーは暮らしから」に、資料室から家庭購買組合関係の史資料を貸し出して展示していただいた。企画展終了後の返却の際、展示で使われた説明パネルを一緒にお持ちいただき、今回の講座に合わせたミニ展示コーナーでも活用された。
 上から2点目の写真は、家庭購買組合の総会議事録で議長が吉野作造とあるページの写真。以下の写真2枚は、ミニ展示コーナーを撮影したもの。
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※当初の講演テーマは「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」となっていましたが、パワーポイント資料のタイトルは「賀川豊彦と吉野作造に学ぶ~貧困と戦争から世界を救うために~」でした。松沢資料館での巡回展「賀川豊彦と吉野作造展」のオープニングシンポジウムと内容がかぶらないようにご配慮いただいたということです。それに今の日本の状況にマッチしています。

2016/10/8「日本生協連資料室土曜講座」第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」参加報告はこちら
2016/10/22「日本生協連資料室土曜講座」第2回「奥むめおに学ぶ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」参加報告はこちら

【2016/11/29 23:54】 | 情報
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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、既にこちらでもご紹介させていただいています。(4テーマで10/8、10/22、11/26、12/3に開催。生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーでも紹介されています)
いよいよ最終回の第4回が12月3日に開催されます。ご参加をお奨めいたします。

【資料室土曜講座2016年度第4回】
12/3「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」(講師:尾崎(井内)智子さん)


1.第4回の12/3(土)の講義内容予定
テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」
講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
    同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
    元生協総研嘱託研究員

※参考文献:『くらしと協同』2015夏号掲載の 「戦時下の生活と女性運動~日本消費組合婦人協会の活動から」

 日本では女性の社会的地位は低く、協同組合の担い手も男性だった。大正後期から昭和初期にかけて現在につながる市民型の生協が設立され、1924年(大正13)年の神戸消費組合で家庭会が設立されたのを皮切りに、生協の利用者である女性を組織する家庭会・婦人会の組織作りと活動は、灘購買組合をはじめ全国に広がっていった。

 1932年(昭和7)年には東京日本橋の魚市場を築地に移転し中央卸売市場として整備する際に商工省が卸売り会社を1社に統合しようとすることへの反対運動に東京の3つの家庭会・婦人部が市川房枝らの婦選獲得同盟とともに参加した。課題によっては従来からロッチデール派、モスクワ派で対立していたグループを超えて提携できることがわかった。
 この経験を踏まえて、満州事変が起こって5年目の1936年(昭和11年)に、全国的な提携を目指して設立されたのが「日本消費組合婦人協会」である。協同組合運動の発展と消費組合によって「世界平和と人類の理想社会を実現」することを目的にしていた。

 そこで現在につながるような組合員による活動が推進されたのだが、協会設立の翌年に始まった日中戦争の泥沼化に伴い、婦人組合員の活動も変化していった。そして「東亜の平和」「国力を伸張」を目指すように協会は変わっていった。
 これらを実際の史資料で確認しながら検証をしている研究に学びたい。

2.開催要領、参加申込み方法
●開講場所:四ツ谷のプラザエフ5階会議室
●開催日程:4回開催。
 開講時間は、16時~18時
 (講義60分、質疑応答60分)
●参加費:無料
(詳細は、生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーに掲載されたので、そちらを参照ください。
該当記事はこちら

●参加申込方法:受講を希望する講座を選んで上記の記事にリンクされた受講申込書に必要事項を記入の上で下記のアドレスに送信してください。
 開講日の前日まで受け付けますが、なるべく早めにお申込みくださいますようお願いいたします。
 E-MAIL:shiryou-toiawaseアットjccu.coop 

■第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」(講師:堀越芳昭さん)の参加報告はこちら
■第2回「奥むめおに学ぶ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」(講師:広岡守穂さん)の参加報告はこちら
■第3回「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」(講師:大川真さん)の参加報告はこちら

【2016/11/28 17:22】 | 情報
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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、既にこちらでもご紹介させていただいています。(4テーマで10/8、10/22、11/26、12/3に開催)
 第3回が11/26に開催されますので、ご参加をお奨めいたします。

【資料室土曜講座2016年度第3回】
11/26「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」(講師:大川真さん)


1.第3回の11/26(土)の講義内容予定
テーマ:「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」
講師:大川真/吉野作造記念館館長、
   国際日本文化研究センター共同研究員、
   尚絅学院大学非常勤講師、
   山形県立米沢女子短期大学非常勤講師

※参考文献:●宮城県協同組合こんわ会『宮城の協同組合人―23人の足跡-』「特集 吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」、●賀川豊彦記念松沢資料館『雲の柱』30号掲載の講演録(「賀川豊彦と吉野作造合同展」2015.4.29オープニング講演会)

 「民本主義」を主張して大正デモクラシーの代表的な論客となった吉野作造は、東大YMCAの藤田逸男たちが中心になって設立し戦前最大の生協になった家庭購買組合の理事長にもなった。賀川豊彦は、神戸消費組合、灘購買組合の設立を指導し、関東大震災からの復興の中で江東消費組合の設立を指導した。
 キリスト教の信仰を踏まえ、民衆の協同の力を引き出しながら消費組合も含めた社会活動に取り組んだ吉野作造、賀川豊彦という2人の先駆者の共通点、それぞれの特徴について学ぶ。関東大震災支援で神戸から活動拠点を移した賀川が吉野の口利きも得て、東京の復興支援をすすめた2人の協同の事実にも学ぶ。

2.開催要領、参加申込み方法
●開講場所:四ツ谷のプラザエフ5階会議室
●開催日程:4回開催。
 開講時間は、16時~18時
 (講義60分、質疑応答60分)
●参加費:無料
(詳細は、生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーに掲載されたので、そちらを参照ください。
該当記事はこちら

●参加申込方法:受講を希望する講座を選んで上記の記事にリンクされた受講申込書に必要事項を記入の上で下記のアドレスに送信してください。
 開講日の前日まで受け付けますが、なるべく早めにお申込みくださいますようお願いいたします。
 E-MAIL:shiryou-toiawaseアットjccu.coop 

■以下、最終の第4回の開催回・日程・講義内容予定 
統一テーマ:
「生協運動の現在につながるテーマについての先駆者に学ぶ」


【第4回:12/3 (土)】テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」
講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
   同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
   元生協総研嘱託研究員

■第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」(講師:堀越芳昭さん)の参加報告はこちら
■第2回「奥むめおに学ぶ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」(講師:広岡守穂さん)の参加報告はこちら

【2016/11/14 12:35】 | 情報
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20161119平塚らいてうシンポチラシ10%縮小.jpg

<Mより発信>
11/19の2つの企画をご紹介します。安保法制廃止をめざす毎月の19日行動の日でもあります。皆様、悩んで選んでご参加くださいませ。

【情報1】「平塚らいてう生誕130年記念シンポジウム」

企画概要:チラシより引用。
 らいてう生誕130年、らいてうの家オープン10年の現在、「戦争法」を廃止させ、平和憲法を守り、戦争や暴力で傷つけられた女性の尊厳を回復することができるのか-それが問われています。らいてうのめざした「女性がつくる平和社会」を実現するために、わたしたち一人ひとりは何をすべきでしょうか。
 アメリカと日本の2つの国をみつめてきた日本文化研究者のノーマ・フィールドさんをシカゴからお迎えし、憲法学者と女性史研究者とともに語り合うつどいを企画しました。
 ごいっしょに、それぞれの言葉で“わたしたちの現在(いま)”を考えましょう。

日時:2016年11月19日(土) 13:30開会
場所:主婦会館プラザエフ(東京・JR四ツ谷駅前)
主催:NPO法人 平塚らいてうの会→HPはこちら
参加費:一般 2000円、学生 1000円
参加申込みとお問い合わせ先→eメール:raichouアットnifty.com
パネリスト:
ノーマ・フィールド=シカゴ大学名誉教授
青井未帆=学習院大学教授
米田佐代子(兼コーディネーター)=平塚らいてうの会会長    
※なお、「平塚らいてうの会」は日本女子大学による第12回(2016年)「平塚らいてう賞〈特別〉」を受賞されたとのことです。

【情報2】「第37回賀川豊彦記念講演会」(講師:元内閣法制局長官 阪田雅裕氏)

『「法の番人」内閣法制局の矜持』(大月書店)を書かれた元内閣法制局長官の阪田雅裕さんによる講演会です。

日時:2016年11月19日(土)14:00~16:00
会場:明治学院大学白金校舎 2号館2101教室
講演テーマ:「民主主義の帝王学―日本の未来を考える―」  
講師:阪田雅裕氏(弁護士、元内閣法制局長官)
略歴:東京大学法学部卒業、大蔵省入省、
ロスアンゼルス総領事館領事、内閣法制局参事官、
大蔵省銀行局保険部保険第二課長、
国税庁長官官房総務課長、
大蔵省大臣官房審議官等を歴任の後、
2006年内閣法制局長官に就任。退官後に弁護士登録し、
現在アンダーソン・毛利・友常 法律事務所顧問。

主催:賀川豊彦記念講座委員会、賀川豊彦学会
後援:明治学院大学キリスト教研究所、
    賀川豊彦記念松沢資料館
詳細はこちらへ
参加申込みとお問い合わせ先→eメール:kouenkaiアットunchusha.com

20161119賀川記念講演会チラシ10%縮小.jpg

【2016/11/08 23:28】 | 情報
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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、こちらでもご紹介させていただきました。10/22の第2回に参加してきましたので、以下、概要をご報告します。

テーマ:「奥むめおに学ぶ
 ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」
講師:広岡守穂さん/中央大学法学部教授、
   (一財)主婦会館評議員


講義内容の概要
 広岡先生のレジュメのタイトルは「奥むめお・・・社会システムをつくった人」。参考文献の奥むめおの章のタイトルも「社会システムをつくる-働く女性のために」。政治学を学んできて、恩師だった篠原一(はじめ)は現代民主主義論の中でも意思決定の場への参加を最重視して参加民主主義が大事という立場をとったが、自分はそれだけでなく意思決定の場をつくること、そのための社会システムを下からつくる動きが大事だと考えるようになった。
Ⅰ.社会システムをつくるデモクラシー(視点その1):3つのデモクラシー●政治的デモクラシー:多数者の意思・少数者の権利=ここは従来取り組まれてきた。●社会的デモクラシー①社会システムをつくるデモクラシー:明治期に渋沢栄一が官業だけではダメで民間の力が大事と株式会社を作ったように、大正時代以降、賀川豊彦、奥むめおの功績は大きい。運動だけでなく多くの事業を立ち上げて社会的なシステムをつくることが大事だった。●社会的デモクラシー②声を出せない人のためのデモクラシー:声を出せる人だけで決めていくのでは不十分。子どもや障害者、LGBTなど少数者で声を出せない出しづらい人たちも視野に入れた活動をつくる必要がある。
Ⅱ.女性解放の思想と運動のなかでの位置づけ(視点その2):●羽仁もと子(1873~1957)、●与謝野晶子(1878~1942)、●平塚らいてう(1886~1971)、●山川菊栄(1890~1980)、●高群逸枝(1894~1964)、●奥むめお(1895~1997)、と奥むめおは年長の5人の論点をきれいに押さえて実践をしていった。・母性保護論争 ・ケイパビリティ ・人口妊娠中絶 ・性別役割分業の論点にもふれた。
Ⅲ.市民社会をつくる実践と思想(視点その3):●市民社会の政治的意味、●市民社会の経済的意味、●市民社会の社会文化的意味、●アナーキズム再評価の機運・・・このⅢは時間がないと勘違いをされて省略。「アナーキズム」は「無政府主義」と訳されるが、秩序を否定する思想ではなく、自由を重視する思想として近年再評価の気運が高まっているという(面白そう)。
Ⅳ.奥むめおの評価と位置づけについて:奥むめおは大変な「人たらし」でいろいろな人を支援者にした。もっと評価がされてよく、きちんとした評伝が出ていて然るべきだった。自分が主婦会館の評議員になって研究会を始めたがまだ3人の方からしかお話を聞けていない。今回の後半に期待したいと締めくくられた。

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 参加者は講師を含めて23名で、日生協・コープ共済連職員6名、医療福祉生協連1名、同OB1名、生協総研3名、会員生協1名、松沢資料館関係2名、研究者2名、主婦連・主婦会館5名、その他1名。 
 ディスカッションでは、まず資料室にある史資料から奥むめおの戦前・戦後の消費組合・生協での「婦人活動」(注)が主婦連の活動の原点だったことを明らかにした。丸浜江里子さん、清水鳩子さん等の発言からも奥むめおの多彩な活躍が浮かび上がってきた。奥むめおは、女性でも一人ひとりがしっかりと主体的に生きていけるように少数の女性リーダーが活躍することよりも、より女性の多数派を組織してみんなで勉強したり楽しんだりしながら活動の輪を広げていくことを追求し続けたのではないか。奥むめおの実践からの学びを深める必要がありそうだ。そのことが参加者に共有できたと思う。
 
注記:昔は世帯主(戦前は戸主)が消費組合・生協の組合員になっていて、実際に利用している主婦を組織して活動参加する場としては婦人部や家庭会が作られた。1960年代後半から主婦が組合員になって全国的に再建・設立された「市民生協(県民生協)」以前は「組合員活動」ではなく、「婦人活動」と呼ばれていた。1957年結成の「日生協婦人部全国協議会」が活動を広め、班を基礎組織として確立していく中で「日生協婦人活動全国協議会」と改称し、1977年には協議会を発展的に解散させ、日本生協連に「全国組織活動委員会」を設置して全国の生協の組織活動を協議、推進していくことになった(その後、「全国組合員活動委員会」と改称されている)。

2016/10/8「日本生協連資料室土曜講座」第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」参加報告はこちら

【2016/10/27 12:56】 | 情報
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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、既にこちらでもご紹介させていただいています。(4テーマで10/8、10/22、11/26、12/3に開催)
 第2回が10/22に開催されますので、ご参加をお奨めいたします。

【資料室土曜講座2016年度第2回】
10/22「奥むめおに学ぶ
 ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~
(講師:広岡守穂さん)


1.第2回の10/22(土)の講義内容予定
テーマ:「奥むめおに学ぶ
   ~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」
講師:広岡守穂/中央大学法学部教授、
   (一財)主婦会館評議員


※参考文献:2015年6月刊『ジェンダーと自己実現』第3章第6節の奥むめおの章

 奥むめおは、主婦連合会(主婦連)を設立したことで知られるが、その主婦連においても昨年の「生誕120年シンポジウムにおいて久しぶりに光が当ったようである。戦前の婦人運動や消費組合での働きによる知名度が生きて戦後に婦人参政権を得てすぐの第1回参議院議員通常選挙=1947年(昭和22年)に国民協同党公認で全国区から出馬して上位当選。以降無所属(院内会派緑風会所属)になり、1965年(昭和40年)に勇退するまで3期18年務め、女性や消費者の立場に立ち、国会内で生協を応援する大きな役割を果たしたことを知っている人はどのくらいいるだろうか。1951年の日本生協連の設立総会で決定したICA加盟がGHQから許可を得られない中で、副会長の奥むめおがイギリス政府による婦人の指導者招待で山川菊栄らとともに欧州視察で出かけた際に、ロンドンにあったICA本部に行って加盟申請書を提出したということも機関誌『日協連』に掲載されている。日本生協連資料室から史資料を提供しながら、奥むめお研究を主体的にすすめるべき研究者の知見を聞き、ディスカッションをしたいと考えている。

2.開催要領、参加申込み方法
●開講場所:四ツ谷のプラザエフ5階会議室
●開催日程:4回開催。
 開講時間は、16時~18時
 (講義60分、質疑応答60分)
●参加費:無料
(詳細は、生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーに掲載されたので、そちらを参照ください。
該当記事はこちら

●参加申込方法:受講を希望する講座を選んで上記の記事にリンクされた受講申込書に必要事項を記入の上で下記のアドレスに送信してください。
 開講日の前日まで受け付けますが、なるべく早めにお申込みくださいますようお願いいたします。
 E-MAIL:shiryou-toiawaseアットjccu.coop 

■以下、第3回以降の開催回・日程・講義内容予定 
統一テーマ:
「生協運動の現在につながるテーマについての先駆者に学ぶ」


【第3回:11/26(土)】
テーマ:「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」
講師:大川真/吉野作造記念館館長、
   国際日本文化研究センター共同研究員、
   尚絅学院大学非常勤講師、
   山形県立米沢女子短期大学非常勤講師

【第4回:12/3 (土)】テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」
講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
   同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
   元生協総研嘱託研究員

■第1回「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」(講師:堀越芳昭さん)の参加報告はこちら

【2016/10/13 12:56】 | 情報
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<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、こちらでもご紹介させていただきました。10/8の第1回に参加してきましたので、以下、概要をご報告します。

テーマ:「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」
講師:堀越芳昭さん/日本大学講師、
 JC総研特別研究員、元山梨学院大学教授、
 元日本協同組合学会会長、元生協総研客員研究員
講義内容の概要

 「はじめに」の<柳田国男に対する誤解>の中では、堀越さんも1980年代の『生活ジャーナル』誌連載『協同組合論の群像』(47回分)で「柳田の協同組合論は民衆の視点に立っているが、産業組合政策の促進を担う政策論的組合論のひとつである」としていたのは間違いで、当時としては先端の協同組合原則論を踏まえて本格的な協同組合論を論じていたことがわからなかったと反省の弁を述べられた。そして山梨学院大学の教員となられて相模原市に住むことになり、地域で柳田国男との所縁がある人から実際に話を聞く中で問題意識が高まって著作を読み込んでいったところ本格的な研究をする価値を見出されたとのこと。
 先人の中では柳田国男の農政学と協同組合論の両方に通じた東畑精一が「柳田国男の協同組合論」の中で「(略)読者が本文を読まれることを希望する。そして法文解釈の行間に、農民が悪質商人や高利貸といかに闘うかについての烈々たる気概をうかがってほしい」と読者に勧奨したことなどを長く引用して紹介し、「柳田産業組合(協同組合)論の内在的検討の提起であった」といえようとされた。柳田はトータルとして正当な評価がされてこなかったようだが、なかなか喧嘩っ早い性格で、深く親交した人とも論争がこじれて絶縁に至ることが多かったことが災いしているとも言及された。
 本論の見出しは以下。Ⅰ.柳田国男協同組合論の根本義は何か~『最新産業組合通解』(明治35年)を中心にみる、Ⅱ.柳田の消費組合論はどのようなものかⅢ.柳田の組合論は協同組合原則とどのように関わるか
 おわりに~柳田国男の消費組合・協同組合論から何を学ぶかでは、●協同組合の根本原理をどのように理解するか。「生活」の重要性/●「協同」および「協同自助」、●「消費」のあり方、●生産者消費者連合/●協同組合間協同の重要性までふれられたが、特に最近になって柳田国男が「生活」を大事に考え、最も底辺の人々の幸福を政策として優先させ、「生活」「幸福」の追及のために協同組合を考えていたことに気がついたという。「郷土研究会」などでともに中心を担った新渡戸稲造が国際連盟の事務次長をしていた関係で官職を辞した後で1921年に国連の委任統治委員になり、2年間ヨーロッパでみっちり当時の国際的な消費組合も含めた協同組合の理論についての先端知識を得ていた影響の大きさにも言及された。
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 参加者は、講師を含めて15名で、日生協・コープ共済連職員6名、医療福祉生協連1名、同OB3名、生協総研1名、会員生協1名、研究者1名、主婦連1名。今年の新人の方からシニアまで幅広い世代から参加があった。生協総研HPを含めてインターネットでの情報を見てという方もいらした。
 ディスカッションでは、現在の生協事業のあり方も問いたいと「消費論」への期待を抱いて参加された方もいて、レイドロー論文での言及部分のコピーを事務局で用意したものを堀越さんが説明でも使われて、柳田の問題意識は現在まで続くものだということが共有できた。資料室に閲覧に通って2011年に『原水爆禁止署名運動の誕生~東京・杉並の住民パワーと水脈』を書かれた丸浜江里子さんも参加され、東畑も橋浦泰雄と同じ地域で生協に関わっていたという情報も得て、生協総研初代専務理事の斎藤嘉璋さんも含めて歴史に学ぶ必要を共有できた。 
以上

【2016/10/12 12:57】 | 情報
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講師の堀越さんから補足説明がありました
Mより
堀越さんから、以下のメールをいただきました。
・・・・・・・・・・
 「なぜ柳田の消費組合論や協同組合論が評価されてこなかったのか」という問題についてですが、少し補足したいと思います。
 柳田の人間関係や厳しい考え方などもあり、多くの人々に理解されなかったのかもしれません。
 加えて柳田の主張や論述には、その真意・内容を理解することに難渋するところがあるように思います。柳田の文章は、よく丁寧に読まないとその真意を掴むことができないように思います。表現が比ゆ的であったり、文語的であったり、飛躍的であったり、文学的であったり、するからです。
 そして私もかつてそうであったように、柳田に対する先入観があります。柳田を信奉する人々(民俗学方面の)は偏った柳田理解に立っている場合が多いし、他方で農政学や経済学方面の人々は柳田の真意(生活・協同の意義)に目も向けないといった状況があったのではないでしょうか。
 いずれにしても柳田の「生活論」と「協同論」を整理することが今後の課題になろうかと思います。
以上
堀越芳昭

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20161003総研HPでの資料室土曜講座案内55%縮小.jpg

<Mより発信>
 2016年度の「日本生協連資料室 土曜講座」については、既にこちらでもご紹介させていただいています。(4テーマで10/8、10/22、11/26、12/3に開催)
 いよいよ今週末の10/8に第1回が開催されます。

【資料室土曜講座2016年度第1回】
10/8「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」
(講師:堀越芳昭さん)


1.第1回の10/8(土)の講義内容予定
テーマ:「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」
講師:堀越芳昭/日本大学講師、JC総研特別研究員、
   元山梨学院大学教授、元日本協同組合学会会長、
   元生協総研客員研究員

※参考文献:『生活協同組合研究』2016年2月、3月号連載の「柳田国男の消費組合論」

 日本民俗学の創始者として有名な柳田国男は、東京帝国大学で農政を学び、産業組合法が公布された1900年(明治33年)に農商務省の官僚となった。官僚として農政の政策上で必要とされた産業組合についての論も表している。
 堀越氏は、柳田の消費組合論について注目してさらに研究をすすめられた。戦前の日本では商業資本による弱者への収奪が大きな社会問題であり、流通の中間に介在する商人を排除する「中間商人節減論」を展開して小生産者が小消費者が結びつくことで両者とも不利益を減らすことができるとしているのは、現在の「産消提携」の考え方の先駆者といえる。また、経済のおおもとは消費であるとし、「適当なる消費、正しい消費」を重視しているところは、「消費者主権」の見直しを論じた1980年のレイドロー報告にも通じている。いたずらに購買意欲を刺激して無駄な消費をあおるのではなく、消費のあり方を見直し、人々が主体的なくらし方を考え合うことができるような場として消費組合(現在の生協)を論じた柳田国男に学ぶところは大きい。

2.開催要領、参加申込み方法
●開講場所:四ツ谷のプラザエフ5階会議室
●開催日程:4回開催。
 開講時間は、16時~18時
 (講義60分、質疑応答60分)
●参加費:無料
(詳細は、生協総合研究所のwebサイトの「研究会情報」コーナーに掲載されたので、そちらを参照ください。
該当記事はこちら
※冒頭の画像は、先の記事になかった「研究会情報」コーナーに掲載されたことが10/3付けのトップページでわかるところ。

●参加申込方法:受講を希望する講座を選んで上記の記事にリンクされた受講申込書に必要事項を記入の上で下記のアドレスに送信してください。
 開講日の前日まで受け付けますが、なるべく早めにお申込みくださいますようお願いいたします。
 E-MAIL:shiryou-toiawaseアットjccu.coop 

■以下、第2回以降の開催回・日程・講義内容予定 
統一テーマ:
「生協運動の現在につながるテーマについての先駆者に学ぶ」


【第2回:10/22(土)】テーマ:「奥むめおに学ぶ
~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」
講師:広岡守穂/中央大学法学部教授、(一財)主婦会館評議員

【第3回:11/26(土)】
テーマ:「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」
講師:大川真/吉野作造記念館館長、
   国際日本文化研究センター共同研究員、
   尚絅学院大学非常勤講師、
   山形県立米沢女子短期大学非常勤講師

【第4回:12/3 (土)】テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」
講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
   同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
   元生協総研嘱託研究員
以上

【2016/10/03 18:09】 | 情報
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20160912Topicsで資料室土曜講座案内55%縮小.jpg

<Mより発信>
 日本生協連資料室は、資料室の一層の活用をお奨めするために2014年度より「土曜講座」をスタートしています。従来は受講対象を限定していましたが、今年度から、生協に関心のある方や生協を研究対象とされる方々にまで、広く参加を呼びかけることにしたとのことです。生協総合研究所のwebサイトでも紹介記事がアップされました(9/12付のトップページの「Topics」欄の冒頭に掲載されている様子が冒頭の画像)。以下で概要をご紹介します。

【資料室より】2016年度「土曜講座」のお知らせ

<企画概要>
●開講場所:四ツ谷のプラザエフ5階会議室
  会場へのアクセスはこちら
●開催日程:4回開催。
① 10/8(土)、②10/22(土)、③11/26(土)、④12/3 (土)
開講時間は、16時~18時 (講義60分、質疑応答60分)
●参加費:無料
●詳細は、生協総研のwebサイトからダウンロードできます。→こちら

■統一テーマ:
「生協運動の現在につながるテーマについての先駆者に学ぶ」


■開催回・日程・講義内容予定
【第1回: 10/8(土)】
テーマ:「柳田国男の消費組合(生協)論に学ぶ」

講師:堀越芳昭/日本大学講師、JC総研客員研究員、
元山梨学院大学教授、元日本協同組合学会会長、
元生協総研客員研究員

【第2回:10/22(土)】
テーマ:「奥むめおに学ぶ
~戦前・戦後の生協の女性リーダーとして~」

講師:広岡守穂/中央大学法学部教授、(一財)主婦会館評議員

【第3回:11/26(土)】
テーマ:「吉野作造と協同組合~賀川豊彦との協同~」

講師:大川真/吉野作造記念館館長、
国際日本文化研究センター共同研究員、
   尚絅学院大学非常勤講師、
山形県立米沢女子短期大学非常勤講師

【第4回:12/3 (土)】
テーマ:「戦前の消費組合(生協)の組合員活動について」

講師:尾崎(井内)智子/四日市大学講師、
同志社大学人文研究所 社外・嘱託研究員、
元生協総研嘱託研究員

●参加申込方法:下記のEメールアドレスにご連絡いただければ受講申込書を送ってくださるとのことです。必要事項を記入いただき、返信いただくようにしてください。(半角アットマークに置き換えたアドレスで送ってください。)
E-MAIL: shiryou-toiawaseアットjccu.coop
開講日の前日まで受け付けますが、なるべく早めにお申込みくださいますようお願いいたします。

以上

【2016/09/13 19:25】 | 情報
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平和のブックレット表紙15%縮小.jpg

<Mより発信>
 「JCCU協同組合塾」の2013年第1回例会は「生協の平和活動の歴史とこれからの課題」というテーマで開催され、日本生協連元常務理事の斎藤嘉璋さんから「生協の平和活動の歴史」、日本生協連OBで現在は「NPO法人 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」の事務局長として活躍されている伊藤和久さんから、会の設立から今の取り組みについて、それぞれご講演とご報告をいただき、こちらのブログで講演要旨と報告要旨を掲載しているのを、まず再掲しておきます。
斎藤嘉璋さんのご講演「生協の平和活動の歴史」の要旨
伊藤和久さんの報告要旨
 そして、こちらの情報を参考にしていただき、京都の「くらしと協同の研究所」で、研究誌『季刊・くらしと協同』の戦後70年の昨年2015年の夏号(6/25発行 No.13)で斎藤嘉璋さんへのインタビュー記事が生れました。
「くらしと協同の研究所」HPの『季刊・くらしと協同』のバックナンバーのコーナーはこちら
【争論】 「生活」が先か、「平和」が先か
の中の「暮らしに寄り添えきれなかった戦前・戦中の生協」……齋藤 嘉璋
というところです。
 また、この号の巻頭言として、コープこうべ元理事長、日本生協連第6代会長の竹本成德さんの「戦後70年におもう」という文章が掲載され、この部分は研究誌の全文掲載に先駆けてpdfファイルとして公開されています。

【文献紹介】齋藤嘉璋さんのブックレット『平和とよりよい生活のために 生協の歴史から戦争と平和を学ぶ』

 2014年7月、第2次安倍内閣が集団的自衛権を合憲とする閣議決定をし、2015年にはそれを行使するための安保法制をつくろうとし、それに反対する全国的な運動がSEALDs学者の会ママの会などの新しい運動も生み出しながら「2015安保闘争」とも呼ばれるくらいの高揚を見せました。残念ながら9/19未明に参議院でも強行採決がされてしまいましたが、安保法制廃止と平和憲法を守るための運動は続いています。
 全国の多くの生協で安倍政権の強行採決を遺憾とし、国民のいのちとくらしを守ろうという声明が出され、憲法問題、平和の問題についての組合員学習の場がつくられています。
 齋藤嘉璋さんは、2015年11月にいばらきコープで開催された「コープまなびの場」で講演され、その講演録に加筆修正をされて、標題のブックレットが4月に発行されました。(A5版64ページ 頒布価格 400円+送料)
 生協がなぜ平和活動に取り組むのか、戦前の苦難と戦後の反核平和の歴史を学べる内容になっています。くらしと協同の研究所や参加型システム研究所の研究誌で書評も掲載され(杉本貴志さん、丸山茂樹さんによる)、現在までに5000部を越して普及されています。このブックレットを使っての平和学習会も各地で企画され、ご本人が講師として対応されています。
 ご自身の被爆体験の証言活動を続けている日本生協連第6代会長の竹本成德さんの『さいごのトマト』ともども、ちょうどいま全国の生協役職員向けの書籍共同購入企画「夏のブックフェア」で割引価格で注文することができます。  まだお読みでない皆様には「夏のブックフェア」を利用するか、もしくは直接お手配いただいてお読み下さるようおすすめいたします。すでにお読みの方も周囲の方々におすすめくださることをお願いしたいです。発行元に直接ご注文の際は以下にお願いいたします。
(1)齋藤嘉璋さんのブックレット発行元の地域生活研究所のHPの情報ページは以下。
該当ページはこちら
(2)コープ出版のHPの『さいごのトマト』情報ページは以下。
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 安保法制廃止と平和憲法を守る全国署名は今年の6月末までに1350万筆を超えました。7/10の参議院選挙に向けて、野党4党と「市民連合」が政策協定を結んで32の一人区全て統一候補を実現して成果を上げましたが、全体としては戦後初めて、改憲勢力が衆参両院において3分の2を超える議席を占める事態となってしまいました。これから、自衛隊の集団的自衛権行使行動、憲法改悪などを許さない世論を大きくしていく必要があります。
 生協に関わる役職員がこのために考え、行動していくためにも、生協の歴史に学びましょう。ブックレットを読むだけでなく、話し合いもできるような学習の場を各地でもっていきましょう。

※齋藤嘉璋さんのブックレット『平和とよりよい生活のために 生協の歴史から戦争と平和を学ぶ』の目次や、注文方法などは以下を開いてご確認ください。
齋藤嘉璋さんのブックレット『平和とよりよい生活のために 生協の歴史から戦争と平和を学ぶ』
<主な目次>
第1部 戦前・戦中の生協の歴史1.日本の生協の創成期
2.“新興消費組合”の誕生と発展
3.満州事変から日中戦争へ
・思想的政治的弾圧
4.日中戦争から太平洋戦争へ
・組織統制―政党も解散、自由は無し
・経済統制―生協事業の自由喪失
・太平洋戦争―生協に壊滅的打撃
・徴兵、徴用、疎開、空襲
5.“戦争の時代“と生協
第2部 生協の平和活動の歴史1.廃墟のなかから 生協の再建
・平和と民主主義をめざして
2.原水禁運動の最初
3.生協の反核・平和活動の歴史
・日本生協連の反戦・平和の取り組み
・統一原水禁運動への参加
・原水禁運動の再分裂―
・被爆者援護法と世界法廷運動
4.生協の平和活動の特徴
○特別掲載 戦後70年におもう 竹本成德

•A5版64ページ
•発行元・東都生活協同組合(2016年4月12日発行)
•頒布価格 400円+送料
  ※50冊以上 10%引き 送料無料  100冊以上 15%引き 送料無料
●頒布は1冊からお受けいたしますが、可能な限りまとめての注文にご協力ください。
●ご希望の方は(1)注文数、(2)お名前(組織名)、(3)ご住所(4)連絡先を明記のうえ、研究所までご連絡ください。
Eメールは→ office@chiikiseikatsu.org


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【2016/08/15 19:22】 | 文献紹介
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20160727国連大学正面80%縮小
<Mより発信>
 遅ればせながら7/27(水)PM国際協同組合デー中央集会に参加したことのご報告。会場は国連大学のウ・タント国際会議場で、入り口に大きな顔写真があった。私が子どもの頃の国連に関するニュースは「ウ・タント事務総長が・・・」というフレーズが大体入っていたことを思い出した。業務上で急遽の対応が入ってしまって遅れたが基調講演の途中から聞くことができた。

 「震災復興・持続可能な未来 貧困からの脱却・平和について―協同組合への期待―」というテーマで講演された奥田知志さんは元々はNPO抱樸理事長であり、広島から鹿児島までの9県で高齢者の福祉・障がい者の福祉、こどもの福祉、生活困窮者の福祉に取り組んでいる社会福祉法人グリーンコープの副理事長ということで、NPO、生協、ワーカーズコープとの連携の実践者。熊本地震支援の実践から「揺れは平等しかし、被害は差別的であり貧しい、弱いところに被害が集中」、その後の支援も「市民は縦割り」で「非日常的市民参加」にとどまり「想像性や持続性の課題」があると指摘。困窮者支援の取り組みのポイントとともに、安倍政権がすすめる格差拡大により経済的徴兵制の準備がすすんでいること、戦争を可能にする3つの要素として①経済的困窮、②社会的孤立、③思考停止を言及。職業として戦争に行って死ぬ人のことは自業自得だからと意識しない分断社会という指摘は痛かった。
 東日本大震災から5年にスポットをあてたパネルディスカッションの中でもグリーンコープ、生活クラブ生協、ホームレス支援全国ネットワークが提携する公益財団法人共生地域創造財団による蛤浜・折浜カキ養殖を産業復興および生活困窮者支援相互多重型支援事業としてとりくんでいる実践報告も3人のパネリストの報告ともどもよかった。
 325名の参加があったとのことで、下の写真は会場の後方から撮影したものをOBのNさんからいただいたもの。
20160727国際協同組合デーの様子・後ろ3の20%縮小
  終了後、関英昭先生、富澤賢治先生と一緒に事務局の打上げに参加。幹事団体は労協とのことで、JC総研、JA全中、全労済の事務局、講師・報告者の方々とのネットワークが広がった。
以上

【2016/08/01 23:59】 | 情報
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